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インタビュー

公開日 : 2016 年 09 月 21 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

これまでの研究から、ヘリコバクター・ピロリ菌(以下、「ピロリ菌」)の感染に由来する萎縮性の胃炎が胃がんの大きなリスク要因であることが明らかになってきました。胃がんリスク層別化検査は血液検査によってピロリ菌感染と萎縮性胃炎の有無を調べ、胃がんのリスクを層別化。その鍵となるペプシノゲン法を世界で最初に開発された第一人者である認定NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構理事長の三木一正先生にお話をうかがいました。

胃がんリスク層別化検査とは?

胃がんリスク層別化による結果判定のイメージ
胃がんリスク層別化検査による結果判定のイメージ

胃がんリスク層別化検査とは、ピロリ菌感染の有無を調べる検査と萎縮性の胃炎の有無を調べる検査を組み合わせ、胃がんをはじめとする病気のリスク(危険度)をA群からD群までのグループに判別するものです。これを「リスクの層別化」といいます。

胃がんリスク層別化検査は、従来の胃がん検診のように胃がんを見つけるためのものではありません。皆さんの胃がんのリスクを層別化し、これまでピロリ菌に感染したことがなく、胃がんになる危険度がきわめて低い方たちを「超低リスク群」として精密検査から除外できるという点に大きな意味があります。その上でB群以降の危険度の高い方たちには内視鏡による精密検査を受けていただき、胃がんができていないかどうかを確かめます。

血液検査でわかる「血清ペプシノゲン値」とは?胃粘膜の萎縮が進むと血液中のペプシノゲンが低下する

ピロリ菌に感染して胃粘膜の萎縮が進めば進むほど、胃がんなりやすいことがわかっています。胃粘膜の萎縮の度合いは血清ペプシノゲン値を検査することによって判別します。ペプシノゲンとは、胃の粘膜から分泌されるペプシンという酵素のもとになる物質で、胃の粘膜が萎縮するとその値も低下します。ペプシノゲンの大部分(99%)は胃の中に分泌されますが、一部(1%)は血液中にも入ることから、血液検査で確かめることができます。

血液中のペプシノゲンの濃度が基準値を下回ると、基準値以上の人に比べて胃がんになりやすいことがわかっています。萎縮性胃炎は「胃がんの温床」ともいわれますが、胃がんだけではなく胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気になるリスクも高くなります。

胃がんリスク層別化検査の結果判定でペプシノゲンの値が基準よりも低く陽性と判定されたC群・D群の方は、できるだけ早く内視鏡検査を受けましょう。その結果、ピロリ菌感染による胃炎が確認された場合は、除菌治療を受けることをおすすめします。
また、ピロリ菌に感染している方や胃粘膜の萎縮が進んでいると判定された方が除菌治療を受けて除菌に成功した場合、胃がんなどの胃の病気になるリスクを下げることはできてもゼロにはなりません。内視鏡検査による定期的な経過観察を継続する必要があります。

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