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インタビュー

特殊な内視鏡検査と検査前後の注意点 

特殊な内視鏡検査と検査前後の注意点 
清水 伸幸 先生

山王病院(東京都) 副院長・外科部長、国際医療福祉大学 教授、日本消化器癌発生学会 評議員会

清水 伸幸 先生

「上部消化管内視鏡検査とは?胃がんの早期発見のために重要な検査」では、胃がんの早期発見のために重要な検査である上部消化管内視鏡検査についてお話ししました。本記事では、特殊な内視鏡検査と上部消化管内視鏡検査の前後の注意点について山王病院副院長 外科部長の清水伸幸先生に解説していただきます。

内視鏡検査は、白色光によって写された上部消化管の内腔の映像を医師が観察して検査を行うものです。しかしながら、通常の内視鏡は消化管内部の表面しか観察できません。したがって、消化管の内腔面より深い部分の組織に発生した腫瘍は見つけにくいという問題点がありました。また、がん細胞のなかには白色光による映像だけでは診断がしにくいものがあります。そこで20年ほど前から、消化管表面以下の組織に発生した病変が検査できる「超音波内視鏡検査(EUS)」が行われています。また、肉眼では検査しにくい消化管内部表面の腫瘍を検出する狭帯光域観察(NBI : narrow band imaging)や、蛍光観察(AFI : Auto Fluorescence Imaging)などの検査方法が開発されています。

超音波内視鏡検査(EUS)とは、内視鏡の先端に小さな超音波のプローベと呼ばれる器具をつけて、消化管壁の構造や周囲組織・臓器などを調べる検査です。内視鏡を使って超音波検査を行う理由は2つあります。ひとつは、胃の粘膜表面より深い部分に発生している腫瘍を調べるためです。胃壁は、図のように大別して4つの層からなります。通常の内視鏡は消化管内部から観察しますので、胃の粘膜を突き破る状態で腫瘍が存在しなければ、異常を見つけられないケースもあります。

また粘膜層にとどまっている胃がんなどは、内視鏡で切除する手術を行う可能性があります。それより深層に胃がんが浸潤している場合は、リンパ節への転移の可能性が高くなるとされており、その場合は外科的手術を選択しなければなりません。したがって、リンパ節への転移の検査やそれに伴う治療も検討する必要があります。

胃壁の構造(粘膜下腫瘍の場合)

 

通常の内視鏡では、白色光を用いて医師が肉眼で診断を行います(場合によっては、治療を行うこともあります)。しかしながら、白色光ではがん細胞が存在するのかが判断できない場合も少なくありません。そのため、がん細胞を強調した映像を描出する検査を行う場合があります。

  1. 狭帯光域観察(NBI : narrow band imaging)
    血管を光学的画像強調技術を使って表示し診断を行う方法です。この検査方法では、血管が集まっている箇所が茶色に表示されます。また、表面の状態が肉眼で識別するよりも格段に見やすくなり、その病変が良性のものなのか悪性のものなのか判断しやすくなります。
     
  2. 蛍光観察(AFI : Auto Fluorescence Imaging)
    特別な光を消化管内腔から照射し、反射した光を観察する技術です。従来の内視鏡検査では、胃の腫瘍性病変の発見が難しいケースがありました。AFIでは、正常の消化管粘膜が明るい緑色調で描出されるのに対して、がんの部分は赤紫色などの異なる色で描出されます。

内視鏡検査は、食べ物を消化する消化管の内部にカメラを挿入して検査するものです。したがって、検査前に食事を行うと検査が難しくなります。検査前後に注意すべき点は、主治医の指示を確認していただきたいのですが、一般的には夕食は前日の21:00ごろまでに摂るようにします。その後、お茶やお水を取ることは問題がないとされています。検査当日は朝食を摂らず、水分も指定時間以降は制限してください。他の病気などで医師から服薬を指導されている方などは、主治医や検査を担当する医師に申告し、指示を仰ぐようにしてください。一般的には、服用している薬が検査に支障を生じる可能性の低いものであること、少量の水分で服用するということに注意していただければ検査に支障をきたすケースは少ないと考えます。

従来、血液をサラサラにする抗血栓薬は休薬して内視鏡検査を受けていただくことが一般でした。内視鏡の検査で食道や胃に傷がつくと出血につながる危険性があったからです。しかしながら最近の検討により、内視鏡検査時に抗血栓薬を休薬するほうがデメリットが多いことがわかってきました。とはいえ、いきなりご自身の判断で休薬することは絶対にやめてください。薬を処方している医師と内視鏡検査を行う医師に、お薬手帳や薬局でもらう薬の説明を書いたシートを持参しての相談が必要です。

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