いねんまくかしゅよう

胃粘膜下腫瘍

最終更新日:
2024年04月16日
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2024/04/16
更新しました
2017/04/25
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概要

胃粘膜下腫瘍(いねんまくかしゅよう)とは、胃の粘膜の下(内側)に腫瘍が存在し、正常な粘膜が盛り上がっているようにみえる病態を指します。正式な病名ではなく、その腫瘍が何であるかによって病名が決定され、それぞれに応じた治療が行われます。良性の腫瘍であれば、脂肪腫、平滑筋腫、迷入膵(めいにゅうすい)、リンパ管腫瘍、神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)などが挙げられ、悪性のものとして胃消化管間質腫瘍 (Gastrointestinal stromal tumor:GIST)、悪性リンパ腫などが挙げられます。

腫瘍が正常な胃粘膜の下に存在するため、通常の内視鏡では直接観察することができず、生検*による病理診断**が難しいとされています。そのため、腫瘍のサイズや状態に応じて検査の方針を決定する必要があり、場合によっては超音波内視鏡検査を用いた精査が必要になることもあります。

*生検:腫瘍など疑わしい組織の一部を採取し、顕微鏡を用いて詳しく調べる検査

**病理診断:生検で採取した組織の細胞などを調べ、診断すること

症状

胃粘膜下腫瘍を生じても無症状の場合がほとんどです。そのため、健康診断がん検診のバリウム検査、胃の内視鏡検査などをきっかけに偶然見つかることも少なくありません。

しかし、悪性の腫瘍の場合、腫瘍が大きくなることで正常粘膜が潰瘍(かいよう)を作り、そこから出血して吐血や下血を含む貧血症状を生じることがあります。

検査・診断

胃粘膜下腫瘍が疑われる場合は、以下のような検査を行います。

上部消化管造影検査(バリウム検査)

食道、胃、十二指腸に病気がないか調べる検査です。

造影剤と発泡剤(バリウム)を飲み、胃や十二指腸を膨らませた状態でX線検査を行います。これにより、病気の位置や大きさ、臓器の形に異常がないかなど、詳しい状態を調べることができます。

内視鏡検査

胃粘膜下腫瘍が疑われる場合、まずは胃の内視鏡検査を行うことが一般的です。胃の内視鏡検査では、口から内視鏡(いわゆる胃カメラ)を挿入し、胃の内部を観察します。

超音波内視鏡検査(EUS)

通常の胃の内視鏡検査に加えて、超音波内視鏡検査が検討されます。

超音波内視鏡検査とは、超音波を発する装置のついた内視鏡を用いて行う検査のことです。通常の胃の内視鏡検査と同様、内視鏡を胃まで進めた後に超音波を発して、音の跳ね返りを利用し粘膜の下の構造や腫瘍の中身の状態などを確認します。

さらに、腫瘍の組織を顕微鏡で確認する病理検査を行う必要がある場合には、超音波の画像を見ながら腫瘍に針を刺し、腫瘍細胞の一部を吸い取って採取する超音波内視鏡下穿刺吸引生検(ちょうおんぱないしきょうかせんしきゅういんせいけん)(EUS-FNAB)を実施することがあります。そのほか、腫瘍の細胞を採取する方法として、内視鏡下に電気メスで粘膜を切開し、腫瘍を直接見ながらその一部を採取する“粘膜切開生検”を行うこともあります。

画像検査

CT検査やMRI検査などを実施することで、腫瘍の位置や大きさ、広がりなどを確認できます。場合によっては、造影剤を用いたCT検査やPET-CT検査を用いて、ほかの臓器などへの転移の有無について確認します。

治療

病理診断の結果が、良性の胃粘膜下腫瘍(平滑筋腫、平滑筋腫、異所性膵など)であれば治療は不要で経過観察となることが一般的です。ただし、つかえ感、胸やけなど腫瘍による症状を有する場合は手術が推奨されることもあります。

一方で、悪性の胃粘膜下腫瘍(GISTなど)の場合には、治療が必要となり手術や化学療法などが検討されます。病理診断結果が明らかでない胃粘膜下腫瘍でも、2cmを超えるものや潰瘍などを有するものについては、治療かつ検査目的で手術を行うこともあります。

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