【インタビュー】

クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
S664x430 ea70d5dd 1fbf 4f05 b85c 4e791b5b9583
胃がんの最新の話題-胃がんにおけるダ・ヴィンチ手術とセンチネルリンパ節...
胃がんにおいても、最新技術による手術手技の進歩にともない、治療の選択肢が増えています。胃がん治療における最新の話題について、がん研有明病院消化器センター胃外科副医長熊谷厚志(くまがいこうし)先生...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません

胃がんの最新の話題-胃がんにおけるダ・ヴィンチ手術とセンチネルリンパ節生検とは

公開日 2016 年 02 月 29 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

胃がんの最新の話題-胃がんにおけるダ・ヴィンチ手術とセンチネルリンパ節生検とは
熊谷 厚志 先生

がん研有明病院 消化器センター 胃外科 副医長

熊谷 厚志 先生

胃がんにおいても、最新技術による手術手技の進歩にともない、治療の選択肢が増えています。胃がん治療における最新の話題について、がん研有明病院 消化器センター 胃外科副医長 熊谷厚志(くまがい こうし)先生にお話しいただきました。

胃がんとダ・ヴィンチ手術

ダ・ヴィンチ手術とは、「da Vinci®」と呼ばれるロボットを用いた手術のことをいいます。腹部に小さい穴を数カ所開け、3本のロボットアームを手のように動かして手術を行います。腹腔鏡手術では、手術に用いる鉗子(かんし)が直線状で曲がることができないため、体内での動きが限られるというデメリットがあります。しかしダ・ヴィンチ手術では、ロボットアームを人間の手のように自由自在に動かすことができます。そのため、骨盤などの狭い空間での縫合など、細かい動きに優れているなどのメリットがあります。

またダ・ヴィンチ手術では、ロボットが術野(手術部位の視野)の保持を行ってくれます。一方、腹腔鏡手術では術者が求める術野の確保を助手がサポートしますが、術者と同様に、助手にも熟練した技術が求められます。つまりダ・ヴィンチ手術では、腹腔鏡手術の技術をもつ助手がいない環境(たとえば海外など)でも質の高い手術が行える可能性があります。

しかし、医師の育成という面から考えると必ずしも良いことばかりではありません。なぜなら、ロボットの力に頼り過ぎてしまい、若い医師が手術の技術を身につける機会を失いかねないからです。外科医としての技術を高めるためには、若いときからなるべく多くの経験を積んで勉強していくことが重要です。

胃がんとセンチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節は「見張りリンパ節」と呼ばれ、がんが最初に転移するリンパ節とされています。乳がん手術においては、センチネルリンパ節に転移がなければリンパ節郭清を省略するというストラテジー(方針)が既に臨床導入されています。胃がんにもこれを導入しようという動きがあり、SNNS研究会(Sentinel Node Navigation Surgery 研究会)により臨床研究が行われました。その結果、胃がんにおいてもセンチネルリンパ節への転移がなければリンパ節郭清を省略できる可能性が示されました。

現状の胃がん手術では、がんに侵されている胃の切除と同時にリンパ節郭清を行うという手術が標準です。しかし、今後は胃の切除範囲をできるだけ小さくすると同時に、センチネルリンパ節生検によって、転移の危険性がないと判断されればリンパ節郭清を行わないという治療法が確立することが期待されます。

このように、傷を小さくするだけでなく、胃切除やリンパ節郭清の範囲を縮小し、患者さんのその後の生活への影響をなるべく小さくすることが、胃がんに対する低侵襲治療といえます。ただし、根治性を損なわないように低侵襲性とのバランスをしっかりと見極めることが今後の課題であるといえます。

 

慶應義塾大学 一般・消化器外科、スウェーデンのカロリンスカ大学病院を経て、がん研有明病院 消化器センター 胃外科 副医長を務める。胃がん手術のスペシャリストである。胃がんを治すためにはどのような治療法が適切であるか、患者さんへのわかりやすい説明を常に心がけ、日々の診療に尽力している。

「胃がん」についての相談が13件あります

関連記事