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インタビュー

内視鏡を用いた胃・十二指腸潰瘍の診断・治療/消化管狭窄の治療

内視鏡を用いた胃・十二指腸潰瘍の診断・治療/消化管狭窄の治療
田中 信治 先生

JA尾道総合病院 病院長、広島大学 名誉教授

田中 信治 先生

この記事の最終更新は2017年11月28日です。

記事1『消化管内視鏡とは—その種類とメリット』では、診断を中心に内視鏡検査の種類やメリットをお話しました。本記事では、内視鏡を用いた胃・十二指腸潰瘍の診断・治療についてご説明します。広島大学病院の田中信治先生にお話を伺いました。

胃潰瘍十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬によって、胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、粘膜や組織の一部が欠損する疾患です。上腹部の痛みや胸やけ、膨満感などの症状が起こります。

診断は、問診や触診、内視鏡検査などの画像検査により行われます。出血を伴うケースでは、内視鏡的止血術や動脈塞栓術による止血を行います。初期治療として制酸剤(胃酸を中和する薬)を6〜8週間投与します。また、ピロリ菌が見つかった場合には、除菌治療を強く推奨します。ピロリ菌の除菌により胃潰瘍の治癒は促進され、再発の危険性は非常に低くなります。

活動性胃潰瘍
活動性胃潰瘍 画像提供:田中信治先生
活動性胃潰瘍 画像提供:田中信治先生
活動性胃潰瘍 画像提供:田中信治先生

費用

胃・十二指腸ファイバースコピーが11,400円(拡大内視鏡:狭帯域光強調加算:2,000円)、内視鏡的消化管止血術46,000円です。

消化管狭窄(きょうさく:すぼまって狭くなる)は、内視鏡治療後の創あとや外科手術後の吻合(ふんごう:分離している組織を接続する)部で、または放射線治療、クローン病や悪性腫瘍などによって生じることがあります。狭窄が高度の場合、食事の通過障害を引き起こします。

良性の狭窄に対しては内視鏡的バルーン拡張術、悪性の狭窄に対しては消化管ステント留置術が選択肢となります。内視鏡的バルーン拡張術は、内視鏡を狭窄部位の手前まで挿入した後に狭窄部位にバルーンカテーテルをすすめ、バルーンを加圧して膨らませます。狭窄の程度に応じてバルーンの種類や長さ、大きさを選択し、拡張時間を調整します。一旦狭窄部が広がってもその後再び狭窄をきたすことがあり、繰り返し治療が必要となることがあります。

食道がんや胃がんの狭窄に対する手術 画像提供:田中信治先生
食道がん胃がんの狭窄に対する手術 画像提供:田中信治先生

手法

消化管ステント留置術は、あらかじめ金属ステントが収納された細いチューブで狭窄部位を通過し、内視鏡とX線で位置を確認しながらステントをチューブから出して展開します。狭窄の程度に応じてステントの種類や長さ、太さを選択します。

費用

費用(手技料のみ)は食道で63,000円、胃・十二指腸で92,100円、小腸・結腸で91,000円です。食道・胃・十二指腸で124,800円、小腸・結腸で145,900円です。

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