胆嚢がんは手遅れになると命にかかわる病気ですが、早期のうちに発見できれば手術によってほぼ完治することができます。また、がんが小さいうちに手術することができれば、患者さんの身体の負担が少なく回復も早いので、短期間の入院で日常生活に戻ることができます。
その早期発見の鍵は、人間ドックでもおなじみの超音波検査(エコー)でした。皆さんも受けたことがあるのではないでしょうか。
外科医としてだけでなく、超音波検査のエキスパートとしても長年胆道がんに関わってこられた山王病院 一般・消化器外科の渡邊五朗先生に、早期発見のポイントをお聞きしました。
早期発見が重要である反面、症状が出ないために気づきにくい―この点で不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、日本では症状のない早期のうちに胆嚢がんを発見できるケースがかなり多いのです。それはなぜでしょうか。
大きな理由として、人間ドックや定期健康診断などで超音波検査(エコー)が普及していることが挙げられます。検査可能な施設が多数存在すること、そして定期的な検査で症状がないうちに発見することができるという点で非常に有効な検査であるといえます。
超音波検査は超音波の反射を利用して対象物を画像化する仕組みになっています。腹部エコーの場合であれば、プローブ(探触子)と呼ばれる器具でお腹の表面をなぞっていくだけで内臓の状態をくわしく調べることができます。検査で使われる超音波は人体に無害で、痛みもなく安全な検査です。
人間ドックなどで行われる検診では、超音波検査を受けた人の5、6人にひとりの割合で胆嚢ポリープが見つかっています。このポリープの大きさや形状の変化に注意を払いながら定期的に経過観察を続けることで、がんが疑われる場合にも適切な治療を受けることができます。
また、胆石であれ腫瘍であれ、胆管が詰まって胆汁の流れが悪くなっていれば超音波検査で胆管が拡張している様子を容易にとらえることができます。
しかし残念なことに、検診の結果、再検査や定期的な経過観察が必要とされた方たちのなかで、検査を受けずにそれっきりになってしまう方がかなり多いという現実があります。
仕事の忙しさや悪い結果が出ることへの不安など、さまざまな理由で足が遠のいてしまっているのかもしれません。
超音波検査は日常的な検診のなかでも受ける機会の多い検査ですので、ぜひ積極的に検査を受けていただき、要再検査の結果が出た場合は先延ばしせず医療機関を受診することを強くおすすめします。
国際医療福祉大学 教授、東京大学 医学部肝胆膵・移植外科 非常勤講師
国際医療福祉大学 教授、東京大学 医学部肝胆膵・移植外科 非常勤講師
日本外科学会 外科専門医・指導医日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器外科指導医・消化器がん外科治療認定医日本超音波医学会 超音波専門医・超音波指導医日本肝臓学会 肝臓専門医日本消化器病学会 消化器病専門医日本胆道学会 認定指導医日本肝胆膵外科学会 肝胆膵外科高度技能専門医
東京大学医学部、虎の門病院副院長を経て国際医療福祉大学教授を務める。消化器外科、胆膵を専門とし、超音波検査を主とした画像診断も専門とする。高度な技術が必要とされる胆膵領域において、へその傷だけで手術をする方法を独自に開発。診療、手術術式ともに、患者さんにやさしいことをモットーとする。
渡邊 五朗 先生の所属医療機関
関連の医療相談が11件あります
胆嚢がんについて
数年前人間ドッグへ行った際に超音波の検査で胆嚢にポリープがあるといわれました。 その後病院の受診をし、様子をみていたのですが、ポリープが大きくなってきているためがんのだろうとのことで手術を勧められました。(転移はしていないとのことでした) 先生からは胆嚢をとるという説明をうけましたが、胆嚢をとることで治るのですか?体への影響はないのでしょうか? 症状はないのですが、胆嚢がんは症状が出てこないものなのでしょうか? 先生へ確認し忘れたのでここで教えていただければと思います。
肝門部胆管がんステージ4の寛解に向けた今後の治療方法について
2024年4月の血液検査でガンマーGTが350を超えていて、ALPも250くらい、主治医からは肝臓でしょう、飲みすぎ等の指摘受けましたが、念のために5月上旬に再度検査受けて、連絡なかったので安心していたら腹部膨張感を感じたのが5月中旬、尿がすこしずつ黄色になったのが5月25日くらい、5月31日黄疸症状がありCT検査より胆管がんの疑いありと診断され、大分別府(自宅のある)の大学病院で再検査、6月3日より入院検査、胆管がんステージ4の確定診断、それからステント ERCPの治療、膵炎や薬物アレルギー、胆管炎をおこしながらも、6月17日より イミフィンジ(免疫阻害チェックポイント剤)とランダ、ジェムザールの抗がん剤の治療開始、当初は副作用、脱毛、口内炎、便秘等あったがクールがすすむにつれて改善、白血球(好中球)減少はあるものの、6クールまで進捗している、8月22日の造影CTで当初3センチほどの腫瘍は2.5センチ、10月18日の造影CTでは更に腫瘍が小さくなり2センチ、リンパ転移も縮小、播種なしの状態、身体もすごく調子が良い状態です、8クールまでは今のままの治療で、そこからはイミフィンジだけで経過観察していくとの事です、根治、寛解に向けて他の治療方法はないでしょうか、例えば重粒子や陽子線等 部分寛解まできているので完全寛解を目指していきたいと思います
締め付けられるような痛み呼吸がしにくい。
石もなく繰り返す腹痛発作の為、胆道ジスキネジアの疑いと診断後胆嚢摘出術をしてから発作はなくなり、違和感は消えずでしたが仕事まで復帰しました。ですが術後8ヶ月、先週からまた似た痛みと、息がしにくく、右胸右背中、心窩部、痛すぎて… 病院もそもそも機能的な問題と軽くながされて、画像に悪いものがうつらないから適当に扱われて、たまりません…… 痛みから解放してほしいです。
腹部エコーで胆のうに所見
40歳の時に初めて腹部エコーの検査をしたところ、胆のうに胆石や胆泥、胆のうポリープがあると言われました。 その後は要経過観察で、去年は検査をしなかったので先日同じ腹部エコーの検査を別の病院でやってもらいました。 その結果、胆のう結石(非充満型)、胆のうスラッジ という内容でした。 40歳のときに言われたのと同じく今回も要経過観察となったわけですが、 胆のう結石とはつまり、胆石のことなのでしょうか? また、非充満型とはどういう意味なのでしょうか? 今後も検査は定期的にやろうと思っていますが、なんとなく右の脇腹あたりが日頃から痛むような気がするのですが 健康診断ではなく一度、消化器内科を受診したほうがよいのでしょうか? おそらく、同じ検査をやると思うのですが・・・ 症状があって病院に行く方が なにかしらの治療法を提案して頂けるのでしょうか・・・? また、この結石がどこかに詰まると激痛と聞いていますが、それは尿管結石とはまた別のものなのでしょうか? わかる範囲で結構です。 よろしくお願いします。
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