クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Noimage s500x350
ウルリッヒ病
ウルリッヒ病とは、骨格筋に先天的な異常が存在するために生じる病気であり、先天性筋ジストロフィーのひとつに分類される病気です。出生間もなくから筋力は低下しており、筋肉の萎縮、関節拘縮などの症状を来...
クリップに失敗しました
クリップ とは
記事にコメントをつけて保存することが出来ます。検索機能であとで検索しやすいキーワードをつけたり、読み返し用のメモを入れておくと便利です。
また、記事を読んで疑問に思ったこと、わからないことなどをコメントに書き、「医療チームのコメントを許可する」を選んで頂いた場合は、医師や看護師が解説をメールにてお送りする場合があります。
※ クリップ内容は外部に公開されません

ウルリッヒ病うるりっひびょう

更新日時: 2017年04月25日【更新履歴
更新履歴
2017年04月25日
掲載しました。
閉じる

概要

ウルリッヒ病とは、骨格筋に先天的な異常が存在するために生じる病気であり、先天性筋ジストロフィーのひとつに分類される病気です。出生間もなくから筋力は低下しており、筋肉の萎縮、関節拘縮などの症状を来すようになります。

ウルリッヒ病は難病及び小児慢性特定疾病に指定をされており、先天性筋ジストロフィーとしては、福山型先天性筋ジストロフィーに次いで多い疾患であると報告されています。日本における患者さんの数は300名程度とのことですが、実際はこの数字よりも多い可能性についても言及されています。

ウルリッヒ病に対しての根本治療は存在せず、筋力低下に関してのリハビリテーションや整形外科的な介入が重要になります。呼吸筋が低下することから、感染症を併発することもあります。遺伝性疾患としての側面もあるため、遺伝カウンセリングも必要になることがあります。

原因

ウルリッヒ病は、COL6A1やCOL6A2、COL6A3といった遺伝子異常に関連して発症することが知られています。これらの遺伝子は「Ⅳ型コラーゲン」と呼ばれるタンパク質を形成するのに重要な役割を果たしています。Ⅳ型コラーゲンは細胞の外に存在するタンパク質であり、筋肉の細胞と細胞の間を埋めるように複雑に入り組んで位置しています。

Ⅳ型コラーゲンは、筋肉の細胞を支えるのに重要な役割を果たしています。 COL6A1やCOL6A2、COL6A3などの遺伝子に異常が存在すると、正常なⅣ型コラーゲンが産生されなくなってしまいます。その結果、筋肉に対するサポートが弱くなり、ウルリッヒ病に特有の筋肉に関連した症状が発症することになります。なお、同様の遺伝子異常に起因する病気に、Bethlem病と呼ばれるものが知られています。

本疾患は、ウルリッヒ病と共通する面も多いのですが、症状の出方がより軽度です。 ウルリッヒ病は、多くの場合「常染色体劣性遺伝」と呼ばれる遺伝形式で発症します。 COL6A1などの原因となる遺伝子は人間の細胞の中に2つ存在していますが、それぞれ両親から1つずつ受け継いでいます。常染色体遺伝形式では、2つあるうちの1つが異常を示すだけでは病気を発症しません。

しかし両親から1つずつ異常な遺伝子を引き継ぎ、2つとも異常を呈するようになるとウルリッヒ病が発症することになります。この場合、同胞が同じような病気を発症する可能性は25%であり、病気の保因者になる可能性は50%になります。 こうした常染色体劣性遺伝形式以外にも突然遺伝子に異常が生じることから発症する例もありますし、常染色体優性遺伝形式をとるものも知られています。

症状

ウルリッヒ病の症状は、生後間もなくから認める筋力の低下が特徴的です。筋力低下に関連して動きが乏しくなるため、胎児期の間から「胎動が少ない」と訴える親御さんも珍しくありません。

筋力低下は強く、哺乳障害や呼吸障害を呈することがあります。筋力が低下すると関節を適切に動かすことができなくなるため、各種関節が固くなってしまいます(拘縮と呼びます)。特に肘や膝の関節の拘縮を見ることが多いです。

その一方で手首や手指の関節は非常に柔らかくなります(過伸展と呼びます)。 筋力低下の症状は千差万別であり、自立歩行ができない方もいる一方で、一度は自立歩行が確立できる方もいます。しかし筋力低下は進行し筋力の萎縮もすすむため、最終的には自立歩行が難しくなることも多いです。側彎や呼吸障害を呈することも稀ではありません。

検査・診断

ウルリッヒ病の診断は、症状で述べたような特徴的な症状をもとになされます。重要な検査所見としては、筋肉の病理検査な検査と遺伝子検索の2つを挙げることができます。

筋肉の病理検査は、実際に筋肉を採取する必要があるため侵襲性の高い検査になりますが、Ⅳ型コラーゲンの減少を含めて、ウルリッヒ病に特徴的な筋肉の変化を観察することが可能です。

ウルリッヒ病は、COL6A1やCOL6A2、COL6A3といった遺伝子異常をもとに発症することが知られています。そのためこうした遺伝子に異常がないかを検索することも、診断に際しては行われることがあります。

治療

ウルリッヒ病には、根治的な治療方法は存在していません。そのため、症状に応じた支持療法が中心になり、特に呼吸に対するサポートは重要です。

呼吸筋の筋力低下に関連して成長段階で呼吸不全を呈するようになるため、人工呼吸器をもちいた呼吸補助が必要になることが多いです。また、気道関連の感染症を発症することもまれではなく、適宜抗生物質での治療が必要になります。

そのほか、全身の筋力低下の進行を遅らせ、関節の拘縮を予防するための理学療法も必要になります。症状の進行度に応じて、装具の着用や車いすの使用も検討されます。また、脊椎が曲がることもあり、手術的な治療介入が行われることもあります。食事摂取がままならなくなることもあるため、その場合には胃瘻を形成することもあります。