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筋ジストロフィー

最終更新日
2021年10月25日
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2021/10/25
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

筋ジストロフィーとは、遺伝子変異によって筋肉に必要なタンパク質がうまくつくられなくなり、筋肉が徐々に弱くなっていく遺伝性の病気です。小児慢性特定疾患ならびに指定難病に指定されています。現在では50種類以上の原因遺伝子が明らかになり、それに基づいた分類がなされています。

筋ジストロフィーは、骨格筋の筋力低下によって運動機能障害が起こることが主な症状ですが、呼吸機能、心機能などにも障害をもたらす場合があります。症状の程度や進行速度、発症年齢などは、筋ジストロフィーの種類によって異なる傾向があります。

現時点で根本的な治療法はありませんが、近年の医学の発展から一部の筋ジストロフィーに治療薬が開発されるなど、さまざまな進展をみせています。

種類

筋ジストロフィーにはさまざまな種類があり、それぞれ発症年齢や症状、遺伝子の特徴などが異なります。具体的にはデュシェンヌ型、ベッカー型、先天性(福山型など)、肢帯型、顔面肩甲上腕型で分類されることが一般的です。

中でもデュシェンヌ型は、小児期に発症する筋ジストロフィーのうちもっとも有病率の高い病型で、男性に多く発症します。3~5歳ごろの幼児期に症状が現れることが一般的です。

原因

筋ジストロフィーは遺伝子変異が原因で発症し、近年では多くの遺伝子変異が筋ジストロフィーの病因として特定されつつあります。

筋ジストロフィーの原因遺伝子の1つに、ジストロフィン遺伝子があります。この遺伝子に異常があると、筋線維の膜の安定化に必要であるジストロフィンタンパク質をうまく生成することができなくなってしまうため、筋線維が壊れやすくなります。

また遺伝子変異は親から引き継ぐ場合と、突然変異によって起こる場合があります。その割合は病型によっても異なりますが、日本ではデュシェンヌ型の場合、約40%が突然変異によって起きているといわれています。

症状

筋ジストロフィーの初期に出る症状や時期、部位、進行の程度などは種類によって異なりますが、共通する症状は筋力低下と運動機能障害です。

また筋肉は運動機能以外にも、心臓や呼吸器、消化管などの内臓機能に対して重要な役割を持っています。そのため筋力の低下に伴って、呼吸や嚥下(えんげ)、心臓、消化機能などに影響がみられる場合もあります。このほか知的障害発達障害、眼症状、難聴も一部の筋ジストロフィーでみられます。

なお、このような機能障害や合併症は種類によって異なり、合併症のほうが運動機能よりも先に起こることもあります。

検査・診断

筋ジストロフィーを確定診断するには、まず症状や家族歴、診察所見、血液検査、筋電図などから筋ジストロフィーの可能性を疑い、遺伝子検査、または筋生検によって確定診断することが一般的です。

血液検査において、CKやAST、ALTと呼ばれる酵素が高値であった場合に筋ジストロフィーが疑われます。現在ではデュシェンヌ型は、血液を用いた遺伝子検査を行うことで大半は診断可能です。このほか遺伝子検査などで診断できない場合は、必要に応じて筋生検が行われることもあります。また心臓の機能を確認するために、心電図や心エコーなどが行われる場合もあります。

治療

2021年現在、筋ジストロフィーの根本的な治療法は確立されていません。現時点では薬物療法、リハビリテーション(関節拘縮(かんせつこうしゅく)予防()側弯症(そくわんしょう)予防(、運動機能維持など)のほか、合併症や筋ジストロフィーの種類に応じた対症療法が行われます。

ただし、近年の医療の進歩から一部の筋ジストロフィーでは新しい治療法や薬が開発されているほか、そのほかの新しい薬の研究開発も盛んに行われています。

薬物療法

ステロイドは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する有効性が確認されている治療法です。

ステロイドで筋力低下の進行を遅らせることで、歩行可能な期間を数年程度延長できるほか、上肢機能呼吸不全・心不全の発症や進行を遅らせ、脊椎が曲がってくる側弯症を予防する効果も期待できます。しかし、ステロイドに伴う副作用も見過ごすことはできないため、注意深く使用する必要があります。

リハビリテーション(機能訓練)

リハビリテーションは、筋力の衰えを遅らせて少しでも長く自立した生活を送るためにとても重要なため、早期から行うことが大切です。

ストレッチなどに取り組むことで、関節を動かさないことで起きる2次性関節拘縮(関節が硬まってしまうこと)をある程度予防することができます。また年を重ねると側弯症が起こり、呼吸にも影響が及ぼされます。そのため側弯を予防するような対策も行われます。

エクソンスキッピング療法

エクソンスキッピング療法は原因遺伝子に介入する新しい治療法です。薬剤を投与して筋力低下の症状を緩和することが期待できます。

これは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーで研究されている方法で、特定の遺伝子変異を有する場合に適応となります。

予防

日常生活で適度な運動は大切ですが、過剰な運動は筋肉を痛める原因になるため注意しましょう。また、転倒などにより寝たきりの状態が続くと筋萎縮が生じやすくなるため、転倒を防ぐなどしてけがや骨折を予防する環境作りを意識しましょう。

呼吸機能が低下している場合には咳をする力が弱まっている場合が多く、感冒を契機に肺炎、呼吸不全に進展する可能性があるため注意が必要です。

さらに過度に体重が増加した場合は、筋肉への負荷を高めるほか、体重の減少も栄養不足や慢性呼吸不全などの合併症の疑いが考えられます。食生活に気を付け、過度な体重の増減があれば医師に相談しましょう。

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