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筋ジストロフィー

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

筋ジストロフィーとは、時間経過と共に筋肉が徐々に壊れていき、進行性に筋力が衰える病気です。運動機能に問題が生じる他、心臓や呼吸等の内臓機能に症状をきたすこともある遺伝性の筋疾患です。

筋ジストロフィーにはさまざまな病型が含まれますが、最も頻度の高いものはデュシェンヌ型・ベッカー型筋ジストロフィーです。これらの病型は、いずれも筋肉に関連した遺伝子の異常によって発症します。

症状は軽度のものから重度のものまで多種多様であることから、正確な頻度については不明な点もありますが、筋ジストロフィーの有病率は人口10万人当たり20人前後と推定されています。主に幼い男の子に発症する病気です。

原因

筋ジストロフィーで最も多いデュシェンヌ型を始めとして、原因となる遺伝子異常が同定されるようになってきています。

原因となる遺伝子の一つとして、筋ジストロフィーの鍵となるジストロフィン遺伝子を挙げることができます。このジストロフィン遺伝子に異常があると、うまくタンパク質(ジストロフィンタンパク)を生成することができなくなってしまいます。その結果、筋肉の再生機能に異常が生じていると考えられています。

症状

筋ジストロフィーを発症すると、筋線維の壊死(えし)(こわれること)が活発に行われるために再生が追いついていかなくなり、徐々に筋肉量が減少していきます。また、筋肉の壊死と再生を繰り返す過程で筋肉に線維化が起こると筋肉が硬くなり、筋肉の柔軟性が悪くなっていきます。この結果、関節の柔軟性が悪くなってしまい(関節拘縮)、運動機能にも影響がでてきます。

筋肉は心臓や呼吸器、消化管などの内蔵機能に対しても重要な役割を持っています。それらの機能が低下してくることによって、筋ジストロフィーの患者さんでは、運動機能はもちろんのこと、呼吸機能や心機能、消化管機能に問題が生じてくることがあります。また、知的障害発達障害、眼症状・難聴も一部の筋ジストロフィーの患者さんに認める症状です。

検査・診断

筋ジストロフィーの検査には、血液検査、筋病理検査、遺伝子検査があります。

血液検査

筋肉が破壊をされるとCKやASTと呼ばれる酵素が、筋肉から放出されます。このため、血液検査では、これらの酵素が異常高値を示すことがあります。自覚症状がはっきりとしない段階で、たとえば風邪をひいたときなど別の理由から血液検査をしたときに、偶然みつかることがあります。

筋病理検査

筋病理検査では、筋肉の再生と壊死をみます。通常、筋線維は大きさが揃っているのですが、筋ジストロフィーの患者さんは、線維の大きさがまばらになるため、検査によってこの状態を確認します。また、筋組織を用いて、免疫染色が行われることもあります。

遺伝子検査

デュシェンヌ型筋ジストロフィーのような頻度が高いものは、遺伝子診断が簡単にできるようになっています。痛みを伴う筋生検は行わずに、遺伝子診断を行うということも実際に行われています。また、筋ジストロフィーは遺伝子に異常があるため、保因者かどうかを判定するための遺伝子検査が行われることもあります。

治療

筋ジストロフィーの主な治療法は、機能訓練、薬物療法、根本治療になります。筋ジストロフィーの治療は長期に渡り、筋力低下に伴う症状は全身に出現します。そのため、患者さんの教育も含めた系統的な治療が必要です。

機能訓練

筋力の衰えを遅らせ、少しでも長く自立した生活が送れるよう、機能訓練はとても重要な位置を占めます。初期治療としてリハビリテーションが非常に重要です。ストレッチやマッサージに取り組むことで、筋の硬化をある程度予防できます。また、年を重ねると、脊椎(背骨)が曲がったりねじれたりする側彎症(そくわんしょう)が生じ、呼吸にも影響が及ぼされます。そのため、側彎を予防するような訓練も行われます。

薬物治療

ステロイド療法は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する有効性が確認されている治療法です。ステロイドで筋力低下の進行を遅らせることで、歩行障害になるまでの期間を2年程度延長できるとされています。また、呼吸不全や心不全の発症や進行を遅らせ、脊椎が曲がってくる側弯症を予防する効果も期待できます。しかし、ステロイドに伴う副作用も看過できるものではないため、注意深く使用する必要があります。

根本治療

先の2つは、進行を遅らせるための対症療法的な位置付けになりますが、筋ジストロフィーのなかには、遺伝子に介入する治療を行うことで根本治療につながる可能性があるものもあります。

エクソン・スキップと呼ばれる治療法を用いることで、筋力低下の症状を緩和することが期待できます。筋ジストロフィーのすべての患者さんに適応になるわけではなく慎重に適応を検討することは必要ですが、2017年現在、この治療方法について治験が進行されています。

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