くれぞーるちゅうどく

クレゾール中毒

目次

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概要

クレゾール中毒とは、クレゾールという化学物質を過剰に摂取することで引き起こされる状態のことをいいます。クレゾールとは、消毒や防カビ剤として使用される独特の臭いがある液体物質のことで、気体になりやすい性質があります。その利便性からよく使われている物質ですが、工場廃水などで一度に大量のクレゾールを排出してしまうと水や大気中の濃度が高くなることがあり、2018年現在では有害大気汚染物質に指定されています。なお、少量であっても、クレゾールを摂取してしまうことにより健康被害をもたらす可能性があります。

原因

クレゾールには、タンパク質を損傷する細胞毒性と、強アルカリによる腐食作用があります。直接口から飲み込んだ場合だけでなく、肺や皮膚からも吸収されます。

クレゾール中毒により生命に関わるほど重症となるケースのほとんどは、クレゾールを含む高濃度の液体を飲んでしまったというものです。一方、低濃度でもクレゾールを含む空気を長期間にわたって吸い続けたり、クレゾールを含む液体が皮膚に触れ続けたりすることで、中毒症状がみられることもあります。

症状

クレゾール中毒の特徴的な点は、クレゾールを摂取してから比較的短時間のうちに症状が現れることです。どのような経路でクレゾールが摂取されたのかによって、症状は異なります。

吸入

吸い込んだ場合、咳、呼吸困難感、のどの灼熱感、頭痛、吐き気、意識混濁などが生じることがあります。

経皮吸収

クレゾールが皮膚から吸収された場合、接触していた皮膚のやけど(化学熱傷)、痛みや発赤、かゆみ、ただれ、目のかゆみや痛みなどが現れることがあります。

経口摂取

口から飲んだ場合、意識障害、痙攣(けいれん)、おう吐、食道やのど、胃の痛み(消化管の粘膜損傷や穿孔)、全身のだるさ(肝障害や腎障害、溶血性貧血など多数の臓器障害)、不整脈や低血圧、呼吸停止、心停止などが生じることがあります。

検査・診断

応急処置と並行して、患者さんやご家族のいた現場の状況を詳しく把握するための問診が行われます。クレゾールを大量に飲み込んでいる場合は、口の辺りから漂う独特のきつい臭いや、灰色または暗赤色尿も診断の手がかりになります。

治療

クレゾール中毒の治療の中心は、生命を守るための蘇生処置と、クレゾールを摂取しないよう生活環境を整備することです。

蘇生処置

鼻から胃まで管(胃管)を留置し、牛乳や活性炭などの投与、大量輸液と利尿剤の投与などが行われます。

クレゾールが皮膚や口のなか、眼球についた場合は、吸収されてしまう前にすぐに拭き取って水でよく洗い流します。

口から飲んだ場合は、食道や胃の粘膜に腐食が起きていないか確認するため、内視鏡検査が行われます。

意識障害や呼吸停止が生じた場合には、気管挿管および人工呼吸管理が行われます。

生活環境の整備

誤飲や付着を防ぐために、クレゾールを含んだ製品の置き場所や目印の付け方に十分な配慮が必要です。小さいお子さんや認知症の患者さんがいるご家庭では、管理方法に注意しましょう。

また、職場でクレゾールを吸入してしまう恐れのある方は、防護マスクや職場の定期的な換気、定期的な健康診断を受けることなどが重要です。