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せんもう

せん妄

最終更新日
2020年08月14日
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2020/08/14
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

せん妄とは、場所や時間を認識する“見当識”や覚醒レベルに異常が生じ、幻覚・妄想などにとらわれて興奮、錯乱、活動性の低下といった情緒や気分の異常が突然引き起こされる精神機能の障害です。夕方や夜間にかけて発生することが多く、大半は数日以内で改善していきますが、昏睡(こんすい)状態に陥ったり、死に至ったりするケースもあります。また、錯乱状態に陥ることによる転倒や、治療に必要な点滴の自己抜去などさまざまなトラブルを引き起こすことも特徴です。

せん妄の原因はさまざまであり、多くは高齢者が発症します。一方で、手術や入院など通常とは異なる状況に置かれると若い方が発症するケースもあります。

せん妄の治療は、気分を落ち着かせたり、睡眠を促したりする薬による薬物療法が主体となります。しかし、せん妄を改善するには周囲の環境を整えることも大切であり、適切な対処がなされない状態が続くと症状が急激に悪化することもあるので注意が必要です。

原因

せん妄は内科的な病気や脳の病気などが根本的な原因となって精神的な変調をきたした状態のことであり、その原因は非常に多岐にわたります。

年齢が高くなるほど発症率は高くなり、特に脳卒中認知症パーキンソン病などの神経や脳に異常をきたす病気の既往がある高齢者は風邪や便秘、脱水、睡眠不足など普段と異なる状況が刺激となって突然発症することがあります。また、若年者でも高熱、肺炎腎不全など体の状態が著しく低下する病気を発症するとせん妄を起こすこともあります。

さらに、せん妄は体の状態だけでなく、環境的な変化によるストレスもひとつの要因となります。具体的には、集中治療室(ICU)をはじめとした閉ざされた環境での入院中、手術後などにせん妄を発症しています。

また、そのほかにも鎮静剤や医療用麻薬、抗うつ薬、ステロイドなどの薬剤の副作用としてせん妄が生じることがあります。

症状

せん妄は突然発症するのが特徴であり、見当識(時間、場所などの認識力)、思考力、注意力の低下が生じて妄想や幻覚に支配されるようになります。その結果、過度に興奮して錯乱状態となったり逆に活動性が著しく低下して眠った状態になったりするなど、行動や睡眠リズムに異常をきたします。

せん妄は一時的に強い症状が現れますが、適切な治療や対処を行うことで数日以内に軽快するのが通常です。一方で、がんの末期など重篤な状況で発生する場合もあり、改善しないこともあります。

また、症状の現れ方は1日の中でも変動があり、一般的には夕方から夜間にかけて悪化して昼夜逆転が生じる結果、日中は活動性の低下が目立ちます。

検査・診断

せん妄は血液検査や画像検査などで特異的な異常が見られることはありません。そのため、症状のほかにその人が置かれている状況、発症している病気、年齢などを総合的に判断したうえで診断が下されます。

一方、せん妄と似た症状がホルモン分泌の異常や脳の病気などによって引き起こされることもあるため、血液検査・画像検査、場合によっては髄液(ずいえき)検査などが診断に必要な場合もあります。

治療

せん妄の治療には、せん妄を引き起こす根本的な原因の改善を行っていく必要があります。

そのため、もっとも大切なのはその人が落ち着いてストレスなく過ごすことができる環境を整え、日常と変わらず昼夜の区別がつく状態をつくることです。また、病気が原因の場合は、それぞれの病気に対する治療が行われます。

一方で、せん妄は上で述べたようなさまざまな精神的異常を引き起こします。そのため、興奮状態に対する鎮静剤、不眠に対する睡眠薬などそれぞれの症状を改善するための対症療法を行っていきます。

予防

せん妄の原因は多岐にわたるため、予防方法もそれぞれの原因によって異なります。

まず、せん妄を発症しやすい高齢者は、わずかな体の不調や状態の変化が発症の引き金になることも少なくありません。日頃から生活リズムを整え、体調の変化などが起こりにくくなるよう心がけましょう。

また、環境の急激な変化はせん妄の原因になります。住み慣れた環境を大きく変えることは避けるのが無難です。やむなく入院が必要になる場合には、昼夜の区別がつく環境をつくり日頃から愛用している日用品を持ち込むなど、できるだけ“日常”を意識できるような工夫をしましょう。

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