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グッドパスチャー症候群

肺

目次

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概要

グッドパスチャー症候群とは、免疫の異常を基盤として自己に対する免疫反応が引き起こされ、腎臓と肺に障害が現れる病気を指します。

人の体には、環境中の病原体と戦うための免疫機能が備わっています。健康な状態であれば、免疫機能は外部の病原体に対してのみはたらきますが、免疫に異常が起こると、自分自身の体を攻撃してしまう自己抗体が産生されて健康被害が生じることがあります。

グッドパスチャー症候群は、このような免疫異常が原因となって発症する病気です。

重症度は人それぞれですが、病気の進行は急速であることが多く、ときに命にかかわることもあります。そのため、発症が疑われる際には早い段階で医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

原因

コラーゲンというタンパク質に対する自己抗体(抗基底膜抗体とも呼ばれます)が産生されることが原因となり、発症します。攻撃対象となるタイプのコラーゲンは、特に肺や腎臓において多くみられることから、グッドパスチャー症候群では両臓器における機能障害が生じます。

なぜこうした自己抗体が産生されてしまうのかは明らかになっていません。インフルエンザをはじめとする感染症などがきっかけとなることもありますが、全ての方において原因を特定できるわけではありません。

症状

グッドパスチャー症候群の発症初期には、全身倦怠感や吐き気、嘔吐などの症状がみられます。その後、肺と腎臓に関連した症状が出始めます。

肺に関連した症状としては、咳や血痰、呼吸困難などが挙げられます。腎臓に関連した症状や症候としては、全身のむくみや血尿・タンパク尿、高血圧などが挙げられ、呼吸器症状からやや遅れて現れることが多いです。

腎機能障害が進行すると、正常な腎機能が損なわれて腎不全となってしまうこともあります。

検査・診断

胸部単純レントゲン写真や胸部CT(エックス線を使って身体の断面を撮影する検査)を行い、肺に出血性病変を疑わせる陰影が出現していないかどうかを確認します。

また、尿検査によって、血尿やタンパク尿などの有無を確認されます。さらに、組織学的・免疫学的にどのような異常が生じているかを評価する目的で、腎臓の組織を針で採取する腎生検も行われます。

また、血液検査では、グッドパスチャー症候群に特徴的な自己抗体である「抗基底膜抗体」を測定したり、出血によって引き起こされる鉄欠乏性貧血の程度を評価したりします。加えて、クレアチニン、尿素、電解質などの評価も行います。

治療

グッドパスチャー症候群では、ステロイドや免疫抑制剤を中心とした薬剤を使用することで、免疫学的な異常を抑制するアプローチが行われます。また、問題となっている自己抗体である抗基底膜抗体を血液中から除去することを目的として、血漿交換療法が行われることもあります。

腎機能障害が進行してしまい、不可逆的(もとに戻らない)な機能低下をきたすこともあります。この場合には、透析や腎移植が必要になることもあります。

一度、病状のコントロールが得られれば、再発することはほとんどないとされており、ステロイドの使用を止めることも検討できます。そのため、病気の発症が疑われるような場合には、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることがとても重要です。