症状
デスモイド型線維腫症の症状は、発生部位によって大きく異なります。
四肢や体幹などに発生した場合は、比較的早い段階から硬いしこりが触れるようになります。また、デスモイド型線維腫症は周囲の臓器や組織に浸潤しながら進行していくため、周囲の神経や骨などにダメージを与えて痛みやしびれ、筋力低下、関節の可動域制限などを引き起こすことも少なくありません。
一方、腹腔内に発生した場合は、初期の段階では体表面からしこりを触れることもなく自覚症状はほとんどありません。しかし、周囲の腸管などを圧迫したり浸潤したりしながら徐々に大きくなっていくことが多いため、進行するとお腹にしこりが触れるようになったり、腹痛、腹部膨満感、通過障害などを引き起こしたりします。また、周囲の腸管などを破壊して穴が開いてしまうなど、非常に重篤な症状が生じることも少なくありません。さらに、首に発生した場合は気管を圧迫して窒息を引き起こすケースも報告されています。
なお、デスモイド型線維腫症は、他部位に転移することはまずありません。しかし、このように周囲の臓器や組織にダメージを与え、死に至る可能性があります。このため、臨床における悪性度(転移のしやすさや進行の速さの程度)は悪性・良性の間の“中間型”と定義されています。発生した部位や大きさによっては重篤な状態になることもあるため、注意が必要です。
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