治療
ヒルシュスプルング病の主な治療法は外科的手術です。この手術は病気の根本的な原因に対処するために行われます。
手術では、神経節細胞のない腸の部分を切除し、正常な神経細胞を持つ腸を肛門につなぎます。この手術を吻合術と呼びます。これによって、正常な排便機能が回復することが期待されます。
しかし、神経節細胞がない部分が大腸全体であったり小腸など広範囲に及んだりする場合には、より複雑な治療が必要となります。このような場合、切除後に水分や栄養の管理を目的として中心静脈カテーテル*の留置が必要となることが多く、在宅あるいは入院下で治療を行いますが、長期にわたることがあります。
また、神経がない部分が広範囲に及んでいる場合には、小腸の移植や多臓器移植が必要になることがあります。
なお、手術後に便秘や腸炎を起こすことがあるため、術後積極的に排便管理を行います。整腸薬や緩下薬、浣腸を行うことで正常な排便パターンの確立が図られます。
ヒルシュスプルング病は、症状が軽い場合には一般的な便秘として診断され治療されることがあります。そのため、乳幼児期以降になってから頑固な便秘が続くなどの症状で、初めて発見されることもあります。ヒルシュスプルング病を見逃さないようにするために、長期にわたる便秘症状がある場合は、専門医による詳細な検査を受けることが重要です。
*中心静脈カテーテル:体の中心部の大きな静脈に挿入する細い管。
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