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ベッカー型筋ジストロフィー

最終更新日:
2018年09月11日
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2018/09/11
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概要

ベッカー型筋ジストロフィーとは、筋肉が徐々に破壊されることで運動障害が引き起こされる筋ジストロフィー症といわれる病気のひとつを指します。ジストロフィン遺伝子の異常が原因で発症します。

筋ジストロフィー症のうちのドゥシャンヌ型と比べて発症は遅く、また、軽症者が多いです。

軽症である場合、運動時に筋肉の痛みを伴う程度の症状しか出ないことや、自覚症状がみられないことがあります。ドゥシャンヌ型に比べ、車いすなどが必要となることはまれです。

ベッカー型筋ジストロフィーの原因遺伝子は、X染色体と呼ばれる染色体の上に存在しています。このことと関連して、ベッカー型筋ジストロフィーは主に男性に発症し、3万人に1人の頻度で発症します。

原因

ベッカー型筋ジストロフィーは、ジストロフィン遺伝子と呼ばれる遺伝子異常を原因として発症します。

ジストロフィン遺伝子は、ジストロフィンと呼ばれるタンパク質を産生するのに重要な遺伝子です。ジストロフィンは筋肉に多く存在するタンパク質であり、ジストロフィン遺伝子の異常に伴って異常なジストロフィンが産生されたり、正常なタンパク質が減ったりすることでベッカー型筋ジストロフィーが引き起こされます。

ベッカー型筋ジストロフィーは、伴性劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとることもあれば、家族歴がなく突然発症的に病気を発症する場合もあります。

症状

ドゥシャンヌ型に比べ軽症例が多く、運動時に筋肉の痛みを伴う程度の症状しか出ないケースや、特別な自覚症状がみられないケースがあります。こうした場合は、血液検査で偶発的に病気が疑われ診断に至ることもあります。

ドゥシャンヌ型のように、経年的に筋力が徐々に低下し、思春期以降に車いすなどによるサポートが必要となるようなケースはまれです。また、ベッカー型筋ジストロフィーはドゥシャンヌ型に比べて進行が遅いため、長い経過中に心不全を来すこともあります。心不全を来すことで、疲れやすさや咳、息苦しさなどの症状が現れることがあります。

検査・診断

検査としては、血液検査、筋病理検査、遺伝子検査などがあります。筋肉の破壊を血液検査で確認することも可能であるため、別の理由で行われた血液検査の異常が病気を疑うきっかけになることもあります。

筋病理検査では、直接的に筋肉の形態異常を観察することが可能です。また、ベッカー型筋ジストロフィーは遺伝することもあるため、遺伝子検査を行うこともあります。

また、経過中に心機能低下を来すことがあるため、定期的な心電図、心エコー検査が重要です。

治療

ベッカー型筋ジストロフィーの治療では、症状などに応じた対症療法が行われます。

歩行が難しくなった場合には車いすを使用し、心不全を発症した場合には、必要に応じた治療薬を選択します。

また、遺伝性疾患としての側面も有しているため、遺伝カウンセリングも考慮することもあります。ベッカー型筋ジストロフィーは、ドゥシャンヌ型に比べ長期的な経過観察が必要となるため、専門の医療機関で診療を受けることが大切です。

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