治療
治療の中心は、抗てんかん薬を用いた薬物療法です。
薬物療法
ミオクロニー欠神てんかんの場合、まずは小児欠神てんかんに有効とされる抗てんかん薬を使用して、発作が軽減するかといった効果をみます。異なる成分からなる3剤の抗てんかん薬を一つずつ使う場合と、複数を併用する場合があります。
3剤の抗てんかん薬で期待する効果がみられない場合、異なるタイプの抗てんかん薬を追加していきます。
治療により2~3年間発作が起こっておらず、検査で脳波にも異常がみられない場合は、薬をやめること(断薬)も可能です。この場合は、半年~1年かけて少しずつ量を減らし、慎重に薬をゼロに近づけていきます。
抗てんかん薬の副作用
抗てんかん薬には、眠気や集中力の低下といった副作用もあります。副作用により、患者さんの学校生活などに支障が出ている場合は、薬のリスクとベネフィットを考え、慎重に対応を決める必要があります。抗てんかん薬を急に中止することで発作が悪化するケースも有るため、自己判断で断薬せず、困っていることを主治医に相談しましょう。
手術(緩和治療)
ミオクロニー欠神てんかんは、基本的にてんかん外科手術の対象にはなりません。ただし、重大な事故につながりかねない転倒発作を繰り返す場合には、手術の対象となることがあります。ミオクロニー欠神てんかんに対する手術は、症状を抑えるための緩和治療であり、完治を目指す根治治療とは異なります。
2018年6月現在行われている手術は、脳梁離断術というものです。この手術は、左脳と右脳をつなぐ太い束、脳梁を切り離すというものです。脳梁を切断することで、両側の脳が同時に興奮することを防げるため、転倒発作を抑えることが可能になります。ただし、頭部の手術にはリスクも伴います。そのため、転倒発作などの重い症状がないミオクロニー欠神てんかんは、この手術の対象にはなりません。
また最近、迷走神経刺激術という新たな緩和療法が導入されています。この場合には小手術で済むため、脳梁離断術より迷走神経刺激術が優先される場合もあります。
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