治療
メープルシロップ尿症は、マススクリーニングの結果が判明する前の段階で発症することもあります。その場合には、急性期の治療を行うことになり、呼吸循環管理、けいれんに対する対応、血液浄化療法などが行われます。また、ビタミンB1に反応して代謝が改善するタイプのメープルシロップ尿症もあるため、ビタミンB1が投与されることもあります。
急性期発作が落ち着いた後、症状はなくともマススクリーングでメープルシロップ尿症が疑われた際には、発作が生じないような管理を行います。メープルシロップ尿症の神経障害が発生すると、不可逆的な障害を残してしまいます。そのため、治療の主眼は合併症を予防することであり、食事からの分岐鎖アミノ酸の摂取量を抑えることが重要です。年齢に応じた適切な量を摂取しつつ、分岐鎖アミノ酸を除去した特殊ミルクも活用されています。
また、風邪をきっかけに症状が増悪することもあるため、風邪をひかないような対策はもちろん、調子が悪くなった場合には早期の医療機関を受診することも必要です。
分岐鎖アミノ酸の摂取や風邪などに注意を払っていても、急性発作を繰り返すこともあります。症状コントロールの難しい場合には、肝移植も検討されます。
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