治療
レット症候群に対しては、確立された根本治療方法はありません。神経学的な予後を改善する薬物療法も試みられていますが、効果が見られる確立した方法はありません。
レット症候群では姿勢をうまく保つことができず、自力で座ることができなかったり、歩いたりすることができません。また、手を無目的に動かしてしまうことから、手先の運動についても障害されます。これらを改善するため、理学療法が重要になります。発語を見ないことも多いため、意思疎通を図るための訓練を積むことも重要になります。
さらに、2歳以降になるとけいれん発作を見るようにもなり、症状に合わせての抗てんかん薬が適応になります。嚥下機能の問題から誤嚥性肺炎を起こすこともあるため、食事形態を工夫したり、肺炎を発症したときには抗生物質が使用されたりすることもあります。背骨の側弯が強くなるときには、手術的な介入が必要になることもあります。
レット症候群の発症は、ほとんどの患者さんが、家族歴のない孤発例です。この場合には、次のお子さんがレット症候群を発症するリスクは上がりません。しかし、極まれに遺伝するタイプのレット症候群もあるため、遺伝カウンセリングが必要とされる場合もあります。
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