症状
レット症候群は生後6か月ごろまでは目立った症状がなく、異常に気付かれないことが多くあります。しかし、進行性の病気であるため、年齢に応じてさまざまな症状が現れます。経過としては、以下の4つのステージに分類されます。
第1期:発達停滞期(生後6~18か月)
身長や頭囲の伸びが遅れるなど発育の遅れがみられるほか、寝返りや独り歩きの遅れ、寝ている時間が長く周囲の刺激に反応しないなどの症状がみられるようになります。また、言葉の発達にも遅れがみられます。
第2期:退行期(1~4歳から、数か月の間継続)
運動に関する機能や、言語など認知機能に関する症状が現れるようになります。
それまでは問題がみられなかった、スプーンを持つなどの手を使った動作を行うことができなくなります。さらに、手を揉む、手で胸を叩く、手を口に入れるなどの特徴的な繰り返し動作が現れるようになります。歩くことができていた患者でも、歩行が難しくなるなどの症状がみられます。
また、一度話せるようになった言葉を話せなくなる、意思疎通が難しくなるなどの症状もみられます。
第3期:仮性安定期(2~10歳から、数年の間継続)
症状は安定している時期で、アイコンタクトや周囲とのコミュニケーションができるようになる場合もあります。一方、手の特徴的な繰り返し行動は続き、過呼吸や無呼吸などの呼吸異常や歯ぎしりなどが目立つようになり、てんかん発作がしばしば起こるようになります。
第4期:晩期機能低下期(10歳以降)
運動に関する症状が進行し、移動には車いすが必要となる場合もあります。また、筋肉が緊張することによる姿勢や運動の障害が目立つようになり、背骨が左右に曲がる側弯症、ジストニアなどの症状が生じる場合もあります。言葉によるコミュニケーションは難しくなります。
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