症状
レット症候群に伴う症状は、年齢によって変化します。出生後から生後6〜18か月頃までは、正常発達様式を示し、ほかの健康な赤ちゃんと何ら変わりありません。しかし、徐々に運動発達の遅れが見られるようになります。具体的には、はいはいができない、自立歩行をしないなどです。また、身体の柔らかさを見ることもあります。こうした運動発達の遅れに続き、発語の遅れも認めるようになります。
レット症候群で特徴的なことの一つとして「退行」を挙げることができます。すなわち、生後しばらくはおもちゃに手を伸ばすなどの行動が合った場合でも、おもちゃに対する興味を失うようになり、目的に沿った運動ができなくなります。そのほか、目的もなく手をもんだり、手を口に持っていったりするなどの常同行動が出ますが、こうした症状もレット症候群のお子さんでよく見られる典型的な症状です。小頭症の症状も出現するようになります。
幼児期から学童期以降は、てんかんを認めるようになります。筋肉を使うことも乏しく、自立歩行はできないことも多く、車いすでの移動が必要になります。筋力の使用も乏しいため、背骨の側弯(ねじれ)が生じることもまれではありません。最重度の知的障害を呈することも多いです。誤嚥性肺炎や不整脈を認めることもあり、生命予後を規定する症状になり得ます。
歩行ができないことや筋緊張が強くなること、目が合いにくい、周囲に対しての興味が乏しいなどの症状を見ることから、脳性麻痺や自閉症の誤診を受けることもありえます。
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