れぷとすぴらしょう

レプトスピラ症

最終更新日
2023年07月19日
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2023/07/19
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

レプトスピラ症とは、病原性を持つレプトスピラ属の細菌によって引き起こされる病気です。

感染経路としてはレプトスピラ症にかかっているネズミ、イヌ、ウシ、ブタ、ウマなどの動物の尿で汚染された水や土壌からの“経皮的感染”と、汚染された飲食物を摂取することによる“経口感染”があります。

レプトスピラ菌に感染すると通常5~14日の潜伏期間を経て、高熱を発症します。多くは約1週間以内に回復しますが、まれに重症化して黄疸(おうだん)、皮下や鼻、肺などに出血傾向(些細なけがで出血しやすい、出血が止まりにくいこと)、腎不全を伴うワイル病を発病し、重症化することもあります。

レプトスピラ症は世界的にみられる病気です。海外では東南アジアや中南米などで流行がみられ、全世界における発生数は年間30~50万件と推測されています。

一方、日本では沖縄県での発生が多く、大規模感染を除き国内で毎年30~40例ほど発生しています。このうち、タイやインドネシア、マレーシアなどの東南アジアを訪れた日本人旅行者の感染が大半を占めています。

原因

レプトスピラ菌は保菌動物の腎臓に定着し、尿中に排菌されます。そのため、保菌動物の尿に汚染された水や土壌に触れたり、尿に直接触れたりすると皮膚から菌が入り感染します(経皮感染)。また、尿に汚染された水や食物を取ることでも感染します(経口感染)。

レプトスピラ菌は酸素が十分にある好気的な環境で育ち、淡水や湿った土壌の中で数か月生存することから、川や湖などでのレジャー(水泳・カヌー・ウインドサーフィン・水上スキー)などが感染源となることもあります。尿との直接接触は農業など職業関連での発生が多いとされています。

なお、レプトスピラ症は動物からヒトへ、ヒトから動物へ伝播可能な人獣共通感染症ですが、ヒトからヒトへ感染することはまれです。

症状

レプトスピラ菌に感染すると、通常5~14日の潜伏期間を経て、発熱(38~40℃)、悪寒、頭痛筋肉痛、結膜充血などの症状が現れます。

重症例ではこのような初期症状に続き、5~8病日目に黄疸や出血傾向、腎障害が出現します。この重症型は“黄疸出血性レプトスピラ病(ワイル病)”と呼ばれ、さまざまな臓器の機能がおかされた結果、死に至ることもあります。早期に適切な治療を行わなかった場合の死亡率は20~30%とされています。

検査・診断

流行地域に訪れた人で典型的な症状がある場合に、レプトスピラ症を疑います。そのうえで血液検査や尿検査、ときに腰椎穿刺(ようついせんし)による髄液の採取が行われ、検体中に菌がいるか、あるいは菌の遺伝子、菌に対する抗体があるかを確認します。

治療

レプトスピラ症の治療には抗菌薬が用いられ、一般的に軽症から中等症の場合にはドキシサイクリンの内服、重症の場合にはペニシリンの静脈注射が行われます。

軽症の場合、自然に治癒することも多く予後は良好ですが、重症のワイル病では死に至ることもあるため、早期の治療が重要となります。

予防

レプトスピラ症は世界中で発生しています。中でも東南アジアや中南米の熱帯地方で流行がみられ、雨がよく降る7~10月頃に集中しています。

レジャーで河川などに入って感染することが多いため、流行地域に旅行する際には注意しましょう。また、特に大雨や洪水の後に感染する可能性が高く、集団感染に至ることもあるため大雨や洪水の後はむやみに河川や水たまりなどに入らないようにしましょう。

なお、現在のところレプトスピラ症に対するワクチンはありません。しかし、治療薬でもあるドキシサイクリンの予防内服が検討されることもあります。

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