症状
上大静脈症候群の症状は、上大静脈に流入するべき血液の流れが阻害されることに関連したものが出現します。上半身の血液が阻害されると、頭頸部や上半身がむくみます。脳の浮腫が起きると、
などの症状が出現します。その他にも難聴や耳鳴りなどの症状も生じます。また、肺や心臓の周囲に水がたまりやすくなるので、呼吸循環動態に悪影響が生じます。
症状は、上大静脈の狭窄・圧迫の進行スピードによっても異なってきます。上大静脈症候群が発症すると、上大静脈以外の経路を使って心臓に血液を戻そうという反応が生じます。
その結果、上大静脈の代わりをする側副血行路と呼ばれる血液の流れが形成されるようになります。これは心臓へと血液を戻すバイパスの役割を担い、側副血行路が発達する時間的な余裕があれば上大静脈症候群の症状は現れにくくなります。
しかし、急速に上大静脈の狭窄・閉塞が進行するような状況では、側副血行路が形成されるだけの十分な時間がないため、症状が強く現れます。特に肺がんをはじめとした悪性腫瘍では、急速な呼吸循環の増悪をみることもあり、緊急対応が必要になることが多いです。
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