治療
先天性水頭症では、原因や症状に合わせて次のような治療が行われます。
シャント手術
脳室内にたまった脳脊髄液を体のほかの部位へ排出させる経路を作る手術で、一般的に行われるのは“脳室―腹腔シャント(V-Pシャント)”です。この方法では脳室と腹腔(腹膜で囲まれた腹部の空間)を細い管でつなぎ、脳脊髄液を腹腔内に排泄させます。
体重が2,500gを越えるとシャント手術に踏み切る医療機関が多いですが、低出生体重児などでは手術に耐えられる体重に達するまでの期間、脳室に管を通してそこから直接脳脊髄液を定期的に抜き取る治療を行います。
また、先天性水頭症の場合は、身体の成長とともに脳室から腹腔に通した管の長さが足りなくなるため、成長段階に合わせて再手術を行う必要があります。
第3脳室開窓術
頭蓋内に内視鏡を挿入し、第3脳室の一部を拡張することで脳室内の脳脊髄液の流れを改善する治療方法です。主に中脳水道狭窄症などに対して行われる治療で、シャント手術よりも体への負担は少ないとされています。しかし、1歳以下で手術を行った場合の成功率は半数程度であり、シャント手術のタイミングを逃さないよう注意する必要があります。
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