検査・診断
内転型痙攣性発声障害の診断は、主に問診、音声所見(聴診、音声機能検査)、喉頭所見(内視鏡検査)の3つをもとに行います。音声所見として特徴的な声の詰まりや途切れを確認し、喉頭所見として発声時に断続的に声帯が強く内転しているか、ほかに声帯麻痺や腫瘍や瘢痕などの器質的な異常がないか、声帯以外に異常運動がないかなどを調べます。
このような検査から特徴的な症状や声帯の内転が確認でき、さらに以下の全ての条件を満たし、ほかの病気を全て除外できた場合に内転型痙攣性発声障害と診断します。
- 発声器官に炎症や腫瘍などの病変や運動麻痺がない
- 発声以外の喉頭機能(呼吸や嚥下など)に異常がない
- 発症前に明らかな身体的・心因的な原因がない
- 神経や筋肉の病気がない
- 症状が6か月以上続いている
痙攣性発声障害と似たような症状がみられる病気として、本態性音声振戦症、機能性発声障害(過緊張性)、心因性発声障害、吃音などがあります。痙攣性発声障害では音声治療の効果がほとんどないとされる一方で、とくに症状が類似する機能性発声障害(過緊張性)では音声治療で改善がみられる場合が多いため、鑑別を目的に音声治療を行うこともあります。
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