治療
前庭神経炎は、激しい回転性めまいがあるときは安静を維持して、めまいや吐き気を抑えるための薬物療法や、嘔吐による水分不足を補うための点滴といった対症療法が主体となります。
また、さまざまな研究により、発症して時間が経過していない段階でステロイドを投与するとふらつきなどの症状が残りにくくなるとの報告があるため、ステロイドを使用するケースも多いとされています。一方で、前庭神経炎はウイルス感染によって引き起こされると考えられていますが、抗ウイルス薬を投与しても効果がないことが分かっています。
なお、前庭神経炎による回転性めまいは数日で改善しますが、その後も長い場合は数か月にわたって歩行時や体動時にふらつきが生じやすくなるとされています。これらの症状を改善するために、前庭代償*を促進するための前庭リハビリテーションを行うことも少なくありません。
*前庭代償:前庭障害によって生じた眼運動や体平衡の異常であり、通常は時間の経過とともに自然と回復の過程を経る。
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