症状
卵円孔開存症は通常目立った症状は起こさないと考えられています。
心房中隔の一部がいわゆる“弁”のような構造になっているため、心臓内の血液の流れに異常が生じることはほとんどなく、心臓病で一般的にみられる動悸・息切れ・胸の痛みなどの症状は通常現れません。
しかし、咳や排便などにより腹圧がかかるような状況になると右心房内の圧が高くなり、この弁(卵円孔)を通じて左心房内に血液が流入することになります。その際、何らかの原因で下肢の静脈に血栓が生じていた場合、その血栓が右心房から左心房に入り込み、脳の血管を詰まらせて脳梗塞を引き起こすケースがあります。このように卵円孔開存症によって引き起こされる奇異性脳梗塞の多くは、60歳未満の比較的若い世代で発症することが知られており、軽度な場合は頭痛やめまい、視野の異常などを引き起こして自然に改善することもあれば、重度な場合は手足の麻痺や言語障害などが生じることもあります。
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