原因
原発性免疫不全症は、免疫系に関する遺伝子異常によって起こります。前述のとおり500種類以上の病気がありますが、代表的な病気のほとんどは原因となる遺伝子異常がそれぞれ明らかになっており、すでに診断や治療の場で活用されています。
基本的には遺伝性の病気ですが、家族に同じ病気の患者がいないことが多いです。遺伝性の場合、両親のいずれか、あるいは両方に何らかの素因があった場合に、その子どもに遺伝子異常が受け継がれて発症します。遺伝形式も病気によって多様で、X連鎖性遺伝*、常染色体潜性遺伝、常染色体顕性遺伝、突然変異などの形式がみられます。このうちX連鎖性遺伝の病気は、男児のみに発症します。
そのほか、一時的に免疫系が未熟であることによって生じる免疫不全症も存在します。
*X連鎖性遺伝:X染色体上の遺伝子異常が子どもに遺伝することをいいます。X染色体は女性に2本、男性に1本あり、X連鎖性遺伝の病気はX染色体が1本しかない男性にのみ発症することが一般的です。これは女性にはX染色体が2本あり、1本に遺伝子異常があっても、もう一本は正常であることがほとんどのためです。ただし、遺伝子異常のあるX染色体を持つ女性が男児を産んだ場合は、2分の1の確率でX連鎖性遺伝の病気にかかる可能性があります。
原発性免疫不全症・先天性免疫異常症の患者さんとご家族の方へ
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