せきぜんそく

咳喘息

最終更新日
2023年06月14日
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2023/06/14
更新しました
2018/12/27
掲載しました。

概要

咳喘息は、かぜなどを引いた後に咳だけが8週間以上続く病気です。

主な原因は、かぜなどが誘因となって気管の粘膜が過敏になった状態が続き、乾燥・気温差・たばこの煙・運動・飲酒などが引き金となって咳が引き起こされると考えられています。一方で、気管が狭くなる気管支喘息とは異なり、呼吸困難感や喘鳴(ぜんめい)(ゼーゼーという呼吸音)を伴うことはないのが特徴です。

咳止めなど一般的な治療薬では効果がなく、治療には気管の炎症を抑えるための吸入ステロイド薬や気管支を広げる気管支拡張薬が必要となります。この病気はかぜなどをきっかけに発症することがほとんどのため、かぜと見分けるのが難しく適切な治療が行われないことも少なくありません。しかし、適切な治療を受けない状態が長く続くと治りにくくなり、気管支喘息に移行するケースも多いため注意が必要です。

原因

咳喘息は、かぜなどをきっかけに気管の粘膜が過敏になることによって発症する病気です。慢性的な炎症によって気管が狭くなる気管支喘息とは異なり、呼吸苦などの症状は生じませんが、乾燥・気温差・運動・たばこの煙・飲酒・緊張・会話などがきっかけで気管の粘膜が刺激されると咳が続くようになります。

近年、咳喘息の発症は増えているとされており、特にアレルギーがある人や女性が発症しやすいとの報告もあります。

症状

かぜを引いた後などに発熱や喉の痛みなどほかの症状が治まっても、8週間以上にわたり咳の症状だけが続きます。咳は痰が絡まない“乾いた咳”であるのが特徴ですが、感染を伴っていたり鼻炎が合併したりしていると痰が絡むこともあります。また、夜間や早朝に悪化しやすいとされています。

上述したように典型的な咳喘息の症状は咳のみであり、気管支喘息のように呼吸困難感や喘鳴などの症状は引き起こされません。多くは、乾燥・気温差・運動・たばこの煙・飲酒・緊張・会話などによって気管の粘膜が刺激されることで咳が止まらなくなります。

咳の程度には個人差がありますが、適切な治療をせずに放置すると約3割は気管支喘息に移行することが分かっています。

検査・診断

咳喘息が疑われるときは次のような検査が行われます。

画像検査

咳喘息では肺に異常な影などは見られませんが、長引く咳を引き起こす結核などの病気との鑑別のために胸部X線(レントゲン)検査、胸部CT検査などによる画像検査が必要です。

血液検査

炎症やアレルギーの有無を調べるために血液検査を行うのが一般的です。

呼吸機能検査

呼吸機能検査とは、特殊な機器を用いて呼吸の状態を詳しく調べる検査のことです。咳喘息では呼吸機能が正常なことが多いですが、重症な場合には呼吸時の空気の出入りが通常よりも少ないことがあります。

また、この検査では気管支喘息慢性閉塞性肺疾患COPD)などとの鑑別を行うことが可能です。

治療

咳喘息は基本的に、気管の炎症を抑えるためのステロイド薬や気管を広げるための気管支拡張薬を用いた薬物療法が行われます。また、アレルギーの関与が疑われる場合には抗ヒスタミン薬などを使用したり、重症な場合はステロイドの飲み薬を使用したりすることもあります。

この病気はかぜなどを引いた後に咳だけが長引く病気ですが、一般的なかぜ薬や咳止めなどは効果がないため注意が必要です。

予防

咳喘息はかぜなどが長引いて咳だけが残る病気です。発症を予防するにはかぜなどを引かないための手洗い・消毒などの感染対策が必要となります。

咳喘息は放っておくと気管支喘息に移行することもあるため、長引く咳があるときはできるだけ早めに医師に相談することが必要です。また、咳喘息を発症した場合は適切な治療を行い、咳の誘因となるような刺激を避けるようにしましょう。

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