概要
喉頭軟化症とは、息を吸ったときの陰圧により喉頭の上部構造が喉頭内宮に引き込まれ気道が狭窄や閉塞する疾患です。乳幼児期が吸気性喘鳴を来す疾患として最も頻度の高いものです。
原因
喉頭は気管につながる空気の通り道で、呼吸や発声に関係しています。喉頭は比較的硬い軟骨でできていて、喉頭軟骨の多くは発生4か月程度の胎児期に軟骨化が完成します。しかし、喉頭上部にある喉頭蓋軟骨は軟骨化の完成が4か月程度遅いといわれています。喉頭蓋軟骨の軟骨化が遅れ、出生後も軟骨構造が未成熟で軟らかい場合に本疾患が引き起こされます。
症状
息を吸った時にゼーゼーという音が聞こえる吸気性喘鳴を来します。産まれて間もなくから吸気性喘鳴を認める先天的な病気はいくつかありますが、最も多いのが喉頭軟化症です。喘鳴は激しく泣くなど空気の流れが強くなると強くなり、安静時には無症状です。こうした呼吸器系の症状は、感染症をきっかけとして増悪することもあります。喉頭軟化症の程度が強いと哺乳時にも呼吸困難を伴うため、哺乳力の低下や体重増加不良をきたします。
ほとんどの場合は発育が進めば自然に解消されるため、それほど心配はありません。しかし、重症例で成長障害や哺乳障害、重度の閉塞性無呼吸、漏斗胸、肺性心、気管軟化症などの合併症が見られます。
検査・診断
内視鏡検査で喉頭の上部構造が引き込まれる様子を確認することで診断します。
治療
90%以上の症例は軽症で、成長と共に自然治癒が期待できます。そのため「呼吸困難」「哺乳障害」「体重増加不良」「閉塞性無呼吸」の症状がなければ経過観察します。経過観察期間中に呼吸器感染症を起こすと症状が悪化することがあります。その場合は抗菌薬の投与などを行います。喘鳴症状はうつぶせ寝で改善が期待できますが、うつぶせ寝自体が「乳幼児突然死症候群」の原因にもなります。うつぶせ寝は保護者観察下で行うことが必須です。哺乳が不十分な場合、身体の成長を促すために経管栄養を行うことがあります。
喘鳴以外の症状がある場合は医療機関の積極的治療介入を検討します。1歳頃までに改善が期待できるので、それまでの間の一時的気道確保目的に気管切開を検討します。症状が強く自然改善が期待できなければ喉頭形成術や喉頭蓋吊り上げ術といった手術方法を検討します。これらを行っても改善が期待出来ない場合、永続的な気管切開を行います。
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