治療
変形性膝関節症で発症した軟骨や半月板の損傷は、2020年現在の医療技術をもってしても完全には元に戻せません。そのため、治療は大きく以下3つのアプローチになります。
- 痛みに対しての対症療法(痛み止めの内服、ヒアルロン酸の関節内注入など)
- 残された膝関節の機能を最大限活用させるための手術
- 人工関節に置き換える手術
対症療法としては、筋力保持のためのトレーニングやリハビリテーション、適切な装具を利用するといったアプローチも重要です。
また外科的な治療法には、主に3つの手術があります。膝に与える影響が小さいものから順番に並べると、以下のようになります。
- 関節鏡による手術
- 膝周囲骨切り術
- 人工膝関節手術
関節鏡による手術
関節鏡とは、膝の周囲に小さな傷をつけて内視鏡を膝に入れ、膝の内部をきれいにする手術です。これは、膝の内部の掃除と半月板の修復を目的としています。
膝周囲骨切り術
膝周囲骨切り術は、膝の上または下で骨の形を矯正することで膝の一部に偏ったストレスを改善しようとするものです。変形性膝関節症はO脚があることで症状が増悪しやすいので、骨を矯正することで膝周囲の骨の荷重を調整します。
人工膝関節手術
人工関節に置き換える手術は、合併症や置換後の日常生活やスポーツ活動などへの制限も生じることがあるため、病気がかなり進行している人に対して実施されます。膝関節はなくなってしまう手術であるため、実施には十分な検討が必要でしょう。
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