新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
疾患啓発(スポンサード)

変形性膝関節症における高位脛骨骨切り術とは? 高位脛骨骨切り術の特徴や経過、注意点について解説

変形性膝関節症における高位脛骨骨切り術とは? 高位脛骨骨切り術の特徴や経過、注意点について解説
月村 泰規 先生

北里大学北里研究所病院 人工関節・軟骨移植センター センター長

月村 泰規 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

高位脛骨骨切り術は、O脚変形が進行したことにより膝の内側に痛みを訴える患者さんに対して行われます。さらに、高位脛骨骨切り術はスポーツ復帰も望めることから、活動性が高いと考えられる比較的若い患者さんに適応されることがあります。

高位脛骨骨切り術では、どのような手術を行うのでしょうか。その内容と特徴について、北里大学北里研究所病院の月村泰規(つきむら やすのり)先生にお話を伺いました。

高位脛骨骨切り術は、すねの骨(脛骨)に切り込みを入れて、すねの骨の形を正しい位置に矯正する手術です。自らの関節を温存することができ、膝の関節としての機能を温存できるため、手術後に大きな制限が生まれないことが特徴です。

高位脛骨骨切り術は、O脚変形の進行により膝の内側に痛みを訴える患者さんを中心に適応されており、ある程度、痛みの改善が期待できます。また、人工膝関節置換術とは異なり、スポーツ復帰が望める点も大きな特徴であることから、若い患者さんや活動性が高い患者さんにも広く適応されています。

高位脛骨骨切り術とは?

 

高位脛骨骨切り術後のレントゲン写真

高位脛骨骨切り術後のレントゲン写真

人工膝関節置換術と同様に、高位脛骨骨切り術においても、ある程度の年数が経つと再手術が必要となる可能性があります。その年数は10〜20年程度といわれており、高位脛骨骨切り術の手術後に再度変形が起こった際には、人工膝関節置換術が適応されています。しかし、近年では手術手技や器具が向上していることから、高位脛骨骨切り術の手術後、10〜15年程度経過しても手術後の状態を維持できる患者さんも増えています。そのため、手術後には定期的に主治医を受診し、状態を継続的に見ていくことが大切です。

高位脛骨骨切り術のメリットは、人工膝関節置換術のように人工物を使用しないため、自らの関節を温存できることや比較的若い患者さんにも適応になること、可動域の制限などが見られないため手術前の生活に近い生活が送れることなどがあげられます。また、高位脛骨骨切り術の手術後に再度変形が生じた場合、人工膝関節置換術への移行も可能です。

一方、高位脛骨骨切り術の注意点は、骨同士が癒合*するまでに多少の時間を要することや、人工膝関節置換術と比較して痛みが完全には取れない可能性があることなどです。高位脛骨骨切り術は、変形性膝関節症が重症化している患者さんは対象にならないこともあるため、病気の進行度や生活環境を考慮しながら、主治医とよく相談のうえで治療法を検討する必要があります。

*癒合:骨が他の骨と関節を形成せずに結合した状態

高位脛骨骨切り術は、O脚変形が進行したことにより膝の内側に痛みを訴える患者さんに適応されます。

人工膝関節置換術とは異なり、高位脛骨骨切り術は手術後の運動の制限などがないため、比較的若い患者さんや、手術後にスポーツ復帰・社会復帰を望んでいる方など、活動性が高い患者さんにおいても対象となります。一方、重度の変形性膝関節症の患者さんは適応にならず、膝の靱帯や軟骨が機能を果たしており、かつ膝の曲げ伸ばしができることが高位脛骨骨切り術を受けるうえでの条件になります。

当院では、患者さんの病気の状態に応じて、高位脛骨骨切り術に加え自家培養軟骨移植術を行っています。自家培養軟骨移植術とは、患者さんの軟骨組織を一部取り出して軟骨組織を増殖させて作られた自家培養軟骨を、軟骨がなくなっている部分に移植することで、軟骨組織を修復する手術です。

軟骨は関節の骨の表面などを覆っており、関節が滑らかに動くようにする役割を担っています。軟骨組織には血管がなく栄養が供給されないため、けがなどで負傷すると自然に治癒はしません。しかし、軟骨組織自体には増殖する能力があることから、その増殖する能力を利用して自家培養軟骨移植術に取り組んでいます。

当院では、患者さんの状態に合わせて治療を行うことで、よりもとの生活に近い生活を送ることができるように努めています。

術後2週間の外固定を行い、4週間での全荷重歩行から、早ければ3か月程度で運動復帰が可能となってきます。10〜15年以上経っても手術後の状態を維持できる患者さんもいます。そのため、患者さんに適したリハビリを行いながら、定期的に病院を受診して診察を受けることが大切です。

現在、日本では、年々平均寿命が伸びており、我々が健康で文化的な生活を自分で送るためには、健康寿命を延ばす必要があります。健康寿命、つまり自ら活動できる期間を可能な限り長く持つためには、膝の痛みや動かしにくさは大きな障害になるため、それらの障害をとることが重要であると考えています。

今では、膝の痛みに悩む患者さんを救う手段は、薬物療法や運動療法などの保存治療だけでなく、人工膝関節置換術や高位脛骨骨切り術、自家培養軟骨移植など、さまざまな治療方法があります。私は、患者さんのニーズをもとに治療を行うことで、痛みをとることはもとより、患者さんが日常生活に戻る手助けをしていきたいと考えています。膝の痛みなどでお悩みの方がいましたら、遠慮なくご相談ください。

受診について相談する
  • 北里大学北里研究所病院 人工関節・軟骨移植センター センター長

    月村 泰規 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「変形性膝関節症」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    本ページにおける情報は、医師本人の申告に基づいて掲載しております。内容については弊社においても可能な限り配慮しておりますが、最新の情報については公開情報等をご確認いただき、またご自身でお問い合わせいただきますようお願いします。

    なお、弊社はいかなる場合にも、掲載された情報の誤り、不正確等にもとづく損害に対して責任を負わないものとします。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。