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インタビュー

公開日 : 2016 年 01 月 17 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

変形性膝関節症の治療-サプリメントは効かない       

筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター  茨城県厚生連総合病院水戸協同病院
梶 有貴先生

変形性膝関節症を患う人の多くは膝に痛みを抱えており、患者さんは市販の痛み止めを用いる ことで、手術を避けたいと考える傾向があります。グルコサミンやコンドロイチンといったサプリメントが有名で、Nutrition Business Journal によると、アメリカ国民は2012年の1年間で、これらのサプリメントに81.3億ドル(日本円にして約1兆円)も費やしたとされています。

膝の痛みは、関節軟骨の破損によって引き起こされます。関節軟骨は、膝やその他の関節の末端を覆う強くて柔軟な組織で、グルコサミンとコンドロイチンにより構成されています。しかし、これらは痛みの緩和という面においては、それほど有効ではありません。一体なぜなのでしょうか。

サプリメントはうまく働かない

多くの研究で、グルコサミンやコンドロイチン硫酸は、膝関節の痛みを緩和するには有用でないと示されています。サプリメントを飲んで痛みや腫れが引いたと言う人も多いのですが、有効成分の無い「suger pill(砂糖の錠剤)」を偽薬として飲んでも同様の結果が得られます。アセトアミノフェンやイブプロフェンといった鎮痛薬の方が、上記のサプリメントよりは、よほど効果的です。

サプリメントには危険もある

グルコサミンとコンドロイチン単体ならば有害ではありませんが、他の薬物と相互作用を起こす場合があります。例えば、ワルファリン(商品名:ワーファリン 抗凝固薬という血液をさらさらにする薬)の効果を増大させ、出血リスクを高めてしまうことがあります。アメリカでは、高齢者で救急搬送の原因第3位がワーファリン関連の問題です。

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筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター  茨城県厚生連総合病院水戸協同病院

梶 有貴先生

初期診断能力、初期治療能力に加え入院患の急性期・亜急性期の診断・管理も請け負う「病院総合医」の能力をもった、「日本型病院総合医」を目指すべく筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院に勤務。若手医師をリーダー的立場から牽引している。Value Based Medicineを推進する立場から、この度Choosing Wisely翻訳プロジェクトに参画。

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