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変形性膝関節症の治療——膝周囲骨切り術(AKO)の術後の流れやリハビリについて

変形性膝関節症の治療——膝周囲骨切り術(AKO)の術後の流れやリハビリについて
竹内 良平 先生

さいわい鶴見病院 関節外科センター センター長

竹内 良平 先生

目次
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記事6『画像でみる膝周囲骨切り術(AKO)による手術の流れ』では、変形性膝関節症の手術治療の1つである膝周囲骨切り術(Around the Knee Osteotomy:AKO)について、さいわい鶴見病院で膝関節疾患の診療を行っている竹内 良平先生の手術の流れをご紹介しました。

今回は、AKOの手術後の流れやリハビリについて、引き続き竹内先生にお話を伺いました。

膝周囲骨切り術(Around the Knee Osteotomy:AKO)の手術が終わると、翌日より両足で立って背伸びの訓練を行います。

これは、ふくらはぎにあたる腓腹筋が、血液を心臓に送る重要なポンプの役割を果たしており、血液のうっ滞(血液がとどまっている状態)を防ぐため、できる限り早めに足を動かす訓練を行うことが望ましいからです。

血液がうっ滞すると、血栓という血のかたまりが静脈内に発生し、それが肺に飛んでしまうと、肺血栓塞栓症、いわゆるエコノミー症候群になることもあります。そのようなことを防ぐため、手術が終わった翌日から全体重をかけて両足を上げ下げするような訓練を行います。

手術直後に足を動かしたり、体重をかけたりするのは「怖い」と思われる患者さんも少なくありません。しかし、足は体重をかけて動かすことで機能するものであるため、長期間動かさずに安静にしていると動かしにくくなっていきます。

手術後に早い段階で体重をかけて、少しずつ足を動かす訓練を行うのは重要です。特に高齢の方は寝たきりにならないように、術後は意識的に足を動かしていただきます。

手術後は個人差がありますが、骨がくっつくまでの3か月ほどは痛みを感じる方が多いです。痛みは骨そのものではなく、痛みを感じる神経がたくさんある、“骨膜”という骨の周りの組織に現れます。

術後の痛みへの対策として、痛み止めの薬を飲みながらリハビリを行っていただきますが、今後はさらに痛みをコントロールできるような方法や、薬を開発するというのも課題のひとつです。

●術後の痛みについて

さいわい鶴見病院で膝周囲骨切り術(AKO)を受けられた患者さんには、基本的に3週間で歩いて退院できるようになるのを目指してリハビリに取り組んでいただきます。

前項でお話ししたように、手術翌日から足を動かす訓練を行い、段階的にリハビリの内容を変えながら自力歩行を目指します。

骨が完全につくまでにはおおよそ3か月ほどかかりますが、退院後も継続的に筋力トレーニングを行うことで、膝関節をサポートする筋肉が衰えることのないように鍛えていただきます。

しかし、膝の治療後に通院してリハビリを受けるというのは、患者さんの負担になると考えられます。そのため、さいわい鶴見病院では患者さんが自宅でも行えるようなトレーニングのメニューを指導し、リハビリ専門機関への紹介はほとんど行っていません。

さいわい鶴見病院では、以下のような流れでリハビリを行います。

STEP1

手術の翌日より平行棒につかまりながら、全体重をかけてかかとの上げおろしの動作や曲げ伸ばしのトレーニングを行います。手術直後は痛みがありますので、本格的な筋力をつけるトレーニングをすぐに行う必要はありません。

具体的な流れ

STEP2

1週間ほど平行棒のトレーニングを行ったら、歩行を補助するウォーカー(歩行器)を使って、さらに1週間ほど歩く訓練を行います。

STEP3

ウォーカー(歩行器)での訓練が終わると小さな杖を使って歩きます。多くの方は、2週間ほどで自力歩行ができるようになります。

半月板を挟み込むような正座の体勢は、膝関節に負担がかかるので、術後は避けていただくよう指導しています。さらにリハビリ期間が終わっても、できれば椅子やベッドを使った生活をすすめています。また、あぐらも膝の内側にストレスがかかるため避けることを指導しています。

竹内先生

特にスポーツをされている方に多いのですが、手術後に筋肉がつけば治りも早くなると思い込んで、無理なトレーニングをしてしまう方がいらっしゃいます。残念ながら今のところは、トレーニングをすればするほど骨が早くつくという科学的なデータはありません。私が担当した患者さんのなかには、必要以上の重りをつけて足の曲げ伸ばしを行ったため、膝の中に挿入した金属プレートが折れてしまった方もいらっしゃいました。

「リハビリをやればやるほどよくなる」というイメージは捨てて、専門の医師に指導していただきながら地道に取り組むことが大切です。

 

 

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