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インタビュー

「危険な」失神とは―心臓が原因の失神、起立性低血圧にも注意

「危険な」失神とは―心臓が原因の失神、起立性低血圧にも注意
徳田 安春 先生

群星沖縄臨床研修センター センター長 、筑波大学 客員教授、獨協大学 特任教授、東邦大学 客員...

徳田 安春 先生

失神の原因をきちんと突き止める必要があるのは、心臓が原因となる「危険な」失神があるからです。これらの場合は、緊急の治療が必要なこともあります。また、実は「起立性低血圧」の中にも一部に危険な失神が含まれています。今回は、緊急性が極めて高くすぐに受診が必要な起立性低血圧、そして心臓が原因の失神について、徳田安春先生にお聞きしました。

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仰臥位(あおむけに寝ている状態)から立ち上がったときに、血管内の血液量が約30%減少することにより血圧の低下が生じます。このとき、身体が正常な状態の場合は、さまざまな神経が働くことにより血圧が適切に保たれます。しかし、神経の働きが異常である場合や、そもそも血液の量が少ない状態では、起立時に高度の血圧低下を起こします。

起立性低血圧は緊急治療が必要でないものもあります。しかし、極めて危険な失神である場合もあります。前述したように「血液の量が少ない」状態がありえるからです。血液量が少ないことの原因が、身体の中で出血が起きていることによる場合が危険なのです。具体的には、大血管破裂(大きな血管の破裂)・異所性(子宮外)妊娠(子宮の外で妊娠してしまうことを指し、破裂してしまうと大出血をきたす)・消化管出血(胃や腸の血管から出血すること)などが挙げられます。

心原性失神とは、心臓が原因となる失神のことを言います。おおまかには、以下の2種類に分類されます。

  1. 不整脈(徐脈性不整脈、頻脈性不整脈など)
  2. 器質的な心臓疾患 (虚血性心疾患大動脈弁狭窄症などの弁膜症など)

心原性失神は、ほぼ全ての心臓の病気において起こる可能性があります。そして、この心原性失神は突然死の引き金にすらなりうる可能性のある危険な失神です。長期的な生命予後(生命を維持できるかどうかの予測)が最も悪くなりますし、緊急の治療が必要なこともあります。

多くの場合、迷走神経反射や状況失神とは違って「なんの前駆症状もない、何の前触れもなく起こる」ことが特徴です。不整脈はなんの前兆も前駆症状もないことがほとんどであり、いきなり「心室頻拍」や「完全房室ブロック」という大変危険な病態を引き起こすことがあります。ただし、「大動脈弁狭窄症」の場合は労作性失神(動いたり、体に何らかの負荷がかかっているときの失神)という特徴があります。

元々心臓の病気を持っている方にはこの危険性は常にありますし、心臓が悪くなる生活習慣(乱れた食生活、肥満など)や生活習慣病を持つ方は常に注意が必要です。

総合診療医的な観点から言えば、検査をする前に病歴・身体所見と「12誘導心電図」という基本的な検査を優先します。危険な失神が考えられる場合にはさらに以下のような精密検査をすることがあります。

  1. 心エコー図
  2. 長時間心電図(ホルター心電図)
  3. 運動負荷試験
  4. 電気生理検査
  5. 心臓カテーテル検査、冠動脈造影

 

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  • 群星沖縄臨床研修センター センター長 、筑波大学 客員教授、獨協大学 特任教授、東邦大学 客員教授、聖マリアンナ医大 客員教授、慶應義塾大学 非常勤講師、総合診療医学教育研究所 代表取締役、Choosing Wisely Japan 副代表

    徳田 安春 先生

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