へんけいせいこつかんせつしっかん

変形性骨関節疾患

最終更新日:
2018年09月14日
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2018/09/14
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概要

変形性関節疾患とは、関節軟骨などの構造が変化し、軟骨・骨の破壊や増殖性の変化を生じる病気のことです。慢性の関節疾患のなかで、もっとも多い病気です。

関節は、異なる骨と骨同士が結合して、曲げ伸ばし、回旋などの運動を行う部位です。骨同士は靭帯で結ばれ、関節を形成する骨と骨の間にはそれぞれクッションの役目を果たす軟骨が存在します。

この軟骨は骨と骨の衝突や摩擦による衝撃を防ぐ役割をしますが、加齢など、さまざまな要因で変性しやすくなります。軟骨が変性し、すり減ることで、骨同士の衝突や摩擦が大きくなり、痛みなどの症状を引き起こす変形性関節疾患を発症します。

関節は、全身のさまざまな部位の曲げ伸ばしに関わるだけでなく、膝関節や股関節のように体重を支えるはたらきを持つものもあります。日常的によく動かす関節や、体重がかかりやすい関節は、軟骨の減少によって何らかの症状が現れやすいです。一方、負荷が少ない関節の軟骨が減少しても大きな症状は生じません。

原因

変形性関節疾患は、関節軟骨が変性し、関節内の骨と骨同士の衝突や摩擦が増えることで、骨自体がすり減ったり、反応性に増殖したりすることで発症します。関節軟骨が変性する原因は以下の通りです。

全身的要因

軟骨はコラーゲンなどの膠原繊維を多く含んでいますが、加齢によって軟骨の水分量が減少することが原因となります。また、肥満による過度な関節への負担が原因となることもあります。さらに、閉経後の女性に多くみられることから、女性ホルモンの減少が発症に関与していると考えられています。

関節内の病変

また、関節内での骨折や靭帯損傷をはじめとした損傷も軟骨にダメージを与える場合があり、特に骨折時に関節内に骨片ができたり、骨が変形したまま癒合したりすると、変形性関節疾患の発症率が上昇します。

先天的な要因

先天性股関節脱臼や内反足など、生まれつき関節に変形がある場合や、血友病など出血しやすい疾患で関節内に出血を繰り返す場合には、若い頃から発症することがあります。

症状

関節部の痛みや熱感などが生じます。また、痛みのために関節運動に関与する筋肉が過度に緊張し、関節運動に制限が生じます。

症状が進行すると、外見からでも関節の変形がわかるようになり、「円滑に運動を行う」という関節の機能が失われます。やがて関節が固くなり可動域が著しく低下します。膝関節などの体重がかかる関節では関節がグラグラとして安定性が失われることも少なくありません。

関節内には関節液が溜まるため、関節が大きく腫れます。特に膝関節における関節液の貯留が著しい場合には、膝蓋骨(しつがいこつ)が繰り返し脱臼を起こすこともあります。

検査・診断

関節の痛みを訴えて病院を受診した場合に、第一に行われる検査はレントゲン検査です。レントゲン検査では、関節の隙間の状態によって軟骨のすり減り具合や骨の増殖性変化を評価することが可能です。

また、原因を調べるために関節液を採取して病理検査が行われることがあり、軟骨や関節滑膜のかけら、尿酸結晶などの何らかの代謝性結晶が見られることもあります。

血液検査によるコンドロカルシンやⅡ型コラーゲンの値が変形性関節疾患の目印として注目されています。

治療

治療方法は病変部位によって大きく異なりますが、どの関節に生じてもまずは鎮痛剤の投与や関節へのヒアルロン酸注射などを行って保存的に経過をみていきます。

症状が進行して、激しい痛み、歩行困難などにより日常生活に著しい障害を生じているような場合には手術が行われます。具体的には、膝関節や股関節に対しては人工関節置換術が行われます。肘関節を始めとする体重の負荷がかからない関節に対しては、炎症を生じた滑膜を切除し、増殖性変化をきたした骨の部位を取り除く治療が行われます。

 

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