たけいにっこうしん

多形日光疹

最終更新日:
2024年01月19日
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2024/01/19
更新しました
2017/04/25
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概要

多形日光疹は“光線過敏症”の1つで、日光にさらされた部分に赤みや水疱(すいほう)などがかゆみとともに生じる病気です。光線過敏症は、紫外線や可視光線にさらされることで、通常では生じないような異常な反応が皮膚に生じるものとされています。多形日光疹は内因性(発症の要因として特定の遺伝子背景や代謝疾患を持っていること)の光線過敏症とされていますが、はっきりとした原因は分かっていません。

光線過敏症の中でも多形日光疹は人口の約数%に発症する比較的まれな病気といわれており、特に女性などに多くみられます。また、日光の中でも主に紫外線A波(UVA)によって症状が引き起こされることが分かっています。

多形日光疹の多くは自然に治癒するといわれています。予防には原因となる紫外線を遮断することが重要です。

原因

多形日光疹を発症するはっきりとした原因は分かっていません。しかし、一部では家族内での発症が確認されることから、遺伝による関連性もあると考えられています。なお、多形日光疹は、主に紫外線A波によって皮膚症状をきたすことが分かっています。紫外線は太陽光のうちもっとも波長の短い光線で、A波(UVA)のほかB波(UVB)、C波(UVC)があります。このうちC波は地表に届きませんが、B波は皮膚や目に悪影響を及ぼし、皮膚がんなどの原因になるといわれています。A波はB波ほどの強い影響はないものの、長時間の曝露によって健康被害をもたらすと考えられています。

症状

多形日光疹では、日光にさらされた部分の皮膚が赤く盛り上がったり、“局面”と呼ばれる不均一な形の赤い発疹(ほっしん)が複数箇所生じたりします。また、かゆみを伴うことがあるほか、まれに水疱ができることもあります。このような皮膚症状は通常日光に当たってから30分から数時間で生じますが、中には数日後に発生することもあります。しかし、いずれも数日から長くても数週間以内に消失します。

また、このような皮膚症状を生じる方でも、繰り返し日光に当たることで徐々に症状が弱まることがある(ハードニング現象)ほか、夏を過ぎると自然に改善することがあります。

検査・診断

診断では、皮膚症状やこれまでの病歴などを確認するほか、検査が行われます。

まず、皮膚症状の性状や生じている場所、かゆみの有無などを問診で確認します。

日光に当たることでその部分のみに発疹が生じている場合には、光線過敏症を疑いどの波長が原因で皮膚に症状が現れるかを確認するため光線テストのほか光貼付テストや皮疹誘発テストなどが行われます。

また、全身性の病気によるものでないかを確認するため、血液検査や遺伝子検査、尿検査などが行われることもあります。

治療

多形日光疹の多くは自然に軽快しますが、赤みやかゆみに対してはステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬が用いられることがあります。

予防

予防としては、多形日光疹の原因である日光を遮ることが重要です。日差しの強い時期や時間帯に外出する際は特に注意して以下のような対策を行いましょう。

  • 紫外線A波を遮断できる日焼け止めの使用
  • 長袖、長ズボンなど肌の露出を避けた服装や帽子の着用
  • 日傘の使用

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