概要
日焼けとは、紫外線によるダメージを受けることで皮膚が赤くなって痛みが生じ、メラニン色素が多く産生されて皮膚が黒くなる症状のことです。
紫外線によるダメージは将来的に皮膚がんや良性腫瘍を引き起こす可能性があるほか、シミやシワといった皮膚の老化を早めることも指摘されています。そのため、屋外で活動するときは適切な紫外線対策を講じて日焼けを予防することが大切です。
また、重症の場合は水ぶくれなどの皮膚症状が起こったり、皮膚に炎症が生じることで口周りの単純ヘルペスの再発リスクが高まったりするなど、さまざまな影響があります。一般的に日焼けによる皮膚の赤みは2~3日で自然と引きますが、症状が強い場合は治療が必要になることもあります。
原因
日焼けは、日光に含まれる紫外線により皮膚の細胞やその遺伝子がダメージを受けることで生じます。皮膚の赤みや痛みを“サンバーン”と呼びますが、細胞そのものの損傷や、傷ついた遺伝子の修復過程で炎症を引き起こす因子が放出されることで生じるとされています。
また、日焼けにより皮膚が黒くなることは“サンタン”と呼ばれます。これは、サンバーンによる炎症でメラニン色素を生成する細胞が刺激されることで生じます。
症状
日焼けの症状は、浴びた紫外線の量や元々皮膚にあるメラニンの量などによって現れ方が異なります。軽度の日焼けであれば、紫外線を浴びて数時間で皮膚の赤みや痛みなどの症状が現れ、2~3日程度で自然に消えていきます。その後、産生が促進されたメラニン色素の影響で皮膚が黒くなることもあります。
しかし、浴びた紫外線量が多い場合は皮膚に強いダメージが生じ、腫れや水ぶくれなどの症状が現れることがあります。中には発熱、悪寒、脱水、脱力など全身症状が生じるケースもあります。
なお、日焼けをすると皮膚は紫外線によってダメージを受け、皮膚の張りを維持するための組織が壊されることでシワの原因になったり、メラニン色素が多く産生されることでシミができやすくなったりすることがあります。さらに、紫外線は皮膚の遺伝子にダメージを与えるため、重度の日焼けをしたり日焼けを繰り返したりした場合は将来的に皮膚がんになるリスクが高まると考えられています。
検査・診断
一般的に特別な検査が必要になるケースはありませんが、重度の日焼けによる脱水が疑われる場合には、全身の状態を把握するために血液検査を行うこともあります。
治療
日焼けは、軽度であれば2~3日で自然に赤みは引いていくため治療が必要になることはありません。痛みが強い場合は患部を冷やしたり保湿したりすることで対処することが可能です。
一方で、痛みや赤みが引かない場合は、炎症を抑えるためのステロイドが含まれた塗り薬や、痛みを和らげるための鎮痛薬などを用いた薬物療法を行うことがあります。また、日焼けで皮がむけた患部に対しては、細菌感染のリスクを抑えるため抗菌薬などの塗り薬が使用されることがあるほか、脱水の程度が強い場合は入院して点滴治療が行われることもあります。
セルフケア
日焼けは、皮膚が直接紫外線にさらされないよう意識することで予防が可能です。具体的には、1日のうちでもっとも紫外線が強くなる10~14時頃の屋外活動を控えめにする、日陰を選んで活動する、帽子や長袖などで皮膚の露出を控える、日焼け止めを使用するといった対策が有効です。
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