しきゅうだつ

子宮脱

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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治療

子宮脱の状態、年齢や全身状態、合併症、本人の希望などに応じて、保存的加療あるいは手術療法を選択します。

保存的加療

本人が手術を望まない場合や、高齢である場合、あるいは合併症などにより手術ができない場合に腟内にペッサリーと呼ばれるドーナツ状のリングを挿入し、子宮や膀胱、直腸などの下降した臓器を押し上げ支えます。

ペッサリーには硬質プラスチック製やシリコン製などの素材があり、さまざまなサイズが用意されています。腟の広さや臓器の下降の状態は患者さんごとに異なるため、最適なリングのサイズもそれぞれに異なります。初回の挿入段階では、リングのサイズが合わないとリングが抜けたり痛みを生じたりすることがあり、何度か最適なサイズを調整する必要があります。

また、長期的に使用すると、リングが腟壁に当たることで発赤(ほっせき)したり、感染により帯下が増加したりすることがあるため、子宮脱の状態評価と合わせて定期的なリングの交換を行います。

手術療法

脱出している臓器の種類や程度に応じてさまざまな方法があり、施設や術者によっても多少のばらつきがみられます。障害を受け、緩んだ骨盤底の筋肉や結合組織などの骨盤支持構造を修復ないしは補強することが手術の基本です。手術は腟から行う場合とお腹から行う場合、あるいはそれらを組み合わせる場合があります。近年、お腹からの手術は侵襲の少ない腹腔鏡手術で行われることが増えています。

子宮脱に対しては、子宮を摘出する子宮全摘出術、膀胱の下降がみられる場合は前腟壁形成(腟の前壁の修復)、直腸の下降がみられる場合には後腟壁形成(腟の後壁の修復)や肛門挙筋縫縮術が単独あるいは併用して行われます。また、場合により腟閉鎖術(腟を閉鎖する)を選択することもありますが、この際には性交渉が行えなくなります。

近年は、ポリプロピレン素材のメッシュを腟の後方に入れ、丈夫な壁を作り補強する方法が行われています。子宮摘出の有無にかかわらず施行可能ですが、メッシュ特有の合併症(感染、疼痛、メッシュの脱出など)も知られています。また、腹腔鏡下で行う腹腔鏡下仙骨膣固定術が保険適応となり注目されています。いずれの手術を行う場合にも治療効果と合併症について担当医師とよく相談することが重要です。

術後、再度骨盤支持構造が緩むことで再発するリスクがあり、再発予防のために肥満、便秘を防ぐ、骨盤周りの筋肉を鍛える (骨盤底筋体操)などを行うことが大切です。

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