治療
帝王切開瘢痕症候群の治療法にはホルモン療法や手術療法があり、妊娠希望の有無などによって治療法を選択します。
妊娠の希望がない場合には特別治療の必要はないものの、月経異常に対してホルモン療法が行われることがあります。一方、妊娠を希望する場合は、不妊に対する治療や分娩時の子宮破裂の予防などのために手術が検討されます。
ホルモン療法
ホルモン療法では低用量ピルなどが用いられます。
低用量ピルは黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類の女性ホルモンが含まれる合成ホルモン薬です。子宮内膜の増殖を抑えるはたらきがあり、月経量の減少や月経痛の軽減などが期待されます。
手術療法
妊娠を希望している方で、不妊治療での妊娠が期待しづらい場合などは、子宮鏡下手術や腹腔鏡下手術などの手術療法が検討されます。主に、瘢痕部の筋層の厚さによって手術の方法が決まります。十分な厚さが残っている場合は子宮鏡下手術、厚さが薄い場合には腹腔鏡下手術もしくは開腹手術で行います。
子宮鏡下手術は、入院日数が短く、腹部の傷が生じないといったメリットがありますが、子宮筋層が非常に薄くなっている場合には適していないなどのデメリットがあります。
一方、腹腔鏡下手術では腹腔鏡を用いて薄くなった子宮筋層を切除し、子宮を縫い合わせます。腹腔鏡下で行うことが困難な場合は、開腹手術で行うこともあります。手術方式は患者の状態やメリットとデメリットを踏まえて選択します。
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