治療
心筋炎では、一部では命にかかわるものもあるため、たとえ軽症であっても入院をして経過観察をし、心筋炎の状態や原因に応じた治療が行われます。経過観察では主に血圧や脈拍、心電図などを確認します。
心筋炎によって心不全が生じている場合は、利尿剤や昇圧剤が使用されるほか、劇症型では、心臓のはたらきを助ける補助循環のために大動脈バルーンパンピング、経皮的心肺補助装置や補助心臓装置のインペラなどが必要になることもあります。心筋が回復するまでサポートが必要になります。一方、不整脈が生じている場合には種類に応じた抗不整脈薬などの薬を使用したり、電気ショックや一時的にペースメーカを入れ込んだりすることがあります。
はっきりとした原因が分かっている場合は原因に応じた治療が行われます。ただし、心筋炎の主な原因であるウイルス感染による心筋炎では、ウイルスの種類を特定するのが難しいうえに治療薬が確立されていません。そのため、根本的な治療は難しいですが、副腎皮質ステロイド療法や免疫グロブリン療法は効果が期待できる場合もあるため、必要に応じて検討されることもあります。
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