原因
心肥大は、心臓の壁が厚くなって心臓のサイズが大きくなった状態のことです。
心臓の壁は筋肉でできており、1日に十万回の拍動を繰り返して血液を全身に送り出しています。そのため、心臓の壁を形成する筋肉には大きな負担がかかっていますが、何らかの原因でさらに負担がかかると筋肉の細胞が大きく変性していきます。その結果、心臓の壁自体が大きくなるのです。
心臓の壁に負担をかけて心肥大を引き起こすもっとも多い原因は高血圧とされています。また、心臓弁膜症や心室中隔欠損などの先天性心疾患といった心臓に負担がかかる病気も心肥大の原因となります。一方で、心臓に病気がなくても甲状腺機能亢進症や脚気など動悸を引き起こす病気も心臓に負担をかけるため、心肥大を引き起こすことがあります。
また、心臓に負担がかかる病気がない場合でも心肥大が生じることも少なくありません。代表的な原因としては、マラソンなど持久力が必要な運動を続けることで、少ない心拍数で多くの血液を送り出すことができるように順応し、心臓の筋肉が発達する“スポーツ心臓”があります。さらに、遺伝子の変異によって心臓に負担がかかっている状態ではないにもかかわらず心肥大が生じる“肥大型心筋症”という病気も知られています。また、心臓の筋肉に異常な成分がたまる状態で、心臓が肥大するサルコイドーシス、アミロイドーシスなどもあります。
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