原因
心身症は、仕事や対人関係といった日常生活の心理社会的ストレスに長期間さらされる結果、体の中でのストレス反応が継続することで起こります。
ストレス反応とはストレスに対する体の防御反応のことで、ストレスを受けると交感神経系と呼ばれる自律神経や副腎皮質ホルモンなどのホルモン分泌が盛んに機能するようになり、心理面、行動面、身体面にさまざまな反応が起こるようになります。このような反応は本来であれば自分の身を守るための緊急で一時的な生理的はたらきですが、長期にわたり継続するとストレス障害となり、障害や疾病となって現れます。心身症は、そのようなストレス障害が身体面の病気として現れたものであるといえます。
心身症は、心理社会的ストレスを受けることに加え、その人の性格や考え方のクセなどによって発症するリスクが高まることが知られています。その1つが、心身症を発症しやすい性格特性として失感情症(アレキシサイミア)と呼ばれる性格的特性です。これは、自分の感情への気付きや、感情を言葉として表現することが苦手な人の特徴で、心身症を発症する人に多く見られる特徴の1つであるといわれています。
そのため、心身症を発症する人は自分が心理社会的ストレスを感じていることに気付いていないことも多く、治療の導入や継続が困難になることも少なくありません。
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