きゅうせいこうとうえん

急性喉頭炎

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

急性喉頭炎とは、喉頭に急性の炎症が生じている状態です。風邪などのウイルス感染や細菌感染、また、声の出し過ぎやタバコ、粉塵などの刺激により発症する喉頭の急性炎症です。

急性喉頭炎では喉の痛みが出現し、声帯に炎症がおよぶと声がかれます。声の安静により、数日から1週間程度までの経過で自然治癒することが多い疾患ですが、細菌感染を合併した場合は長引くこともあります。

また、歌手や教師など、声を酷使する職業の患者さんでは、声帯の状態を詳細に観察したうえで、声の出し方自体を指導する音声訓練が必要となる場合があります。

原因

空気の通り道である気道は、鼻、口、喉頭、そして気管へとつながりますが、喉頭は気管の入り口になります。

喉頭には声を発生する声帯や、喉頭の入り口に蓋をして、食べ物が誤って気管に入り込まないようにする喉頭蓋があります。そのため、喉頭は空気の通り道ばかりでなく、発声や誤嚥の防止といった機能も有しています。

急性喉頭炎の多くは、風邪などに関連したウイルスに感染することが原因となります。具体的には、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルスなど多くのウイルスが原因となります。

また、喉頭が発声に重要な役割をしていることから声の酷使により声帯に炎症が生じることもあります。そのため、教師や政治家、歌手など声を使うことが多い職種の方に発症することがあります。また、カラオケや運動会などで大きな声を出した後に発症することもあります。

喉頭は、空気の通り道であるために、空気中に存在するさまざまな物質と触れ合う機会も多いです。そのため、タバコの煙や粉塵などが喉頭に触れると、炎症が惹起されることがあり、急性喉頭炎の発症につながることも知られています。

症状

喉頭に炎症が生じていることから、喉の痛みや声枯れ、声の出しづらさを認めるようになります。喉の痛みまではいかなくとも、喉の違和感を認めることもあります。また、ものの飲み込みに伴って痛みが誘発されることもあります(嚥下痛)。

また、急性喉頭炎は風邪の一症状として発症することも多いです。この場合、鼻や咽頭、気管支などにも炎症が生じることがあります。そのため、鼻水や喉の痛み(喉頭より高い位置の喉)、咳や痰などの症状を随伴することもまれではありません。さらに、炎症が生じる関係から全身症状としての発熱をみることもあります。

検査・診断

急性喉頭炎は、基本的には症状から疑うことになり、必ずしも特別な検査を要するわけではありません。

喉の痛みや声枯れ、声の出しづらさを認めた場合、急性喉頭炎を疑います。しかし、頻度は低いですが、喉頭がんなど他の疾患である可能性もあるため、喉頭ファイバースコープ検査で喉頭を観察することは重要です。声門を含め、喉頭に炎症や腫瘍性病変がないかを直接観察します。

治療

数日の経過で自然治癒することが多いです。ウイルスによる急性喉頭炎では、喉の痛みや発熱に対する対症療法が中心となります。

声帯の安静を図るためには、大声で話すことはよくないですが、囁き声もかえって声帯にとって負担となるため、適切な大きさで話し、必要最低限の会話を心がけることが大切です。

細菌感染の合併が疑われる場合には、抗生物質の使用が必要となります。また、声帯の炎症を軽減するにはステロイド剤の内服やネブライザー吸入が効果的です。

歌手や教師など、声を酷使する職業の患者さんでは、声の出し方自体を指導する音声訓練が必要となる場合があります。音声治療を専門的に行っている施設を受診して、詳しく調べてもらうことが大切です。

喫煙や粉塵は急性喉頭炎の増悪原因となるため、喫煙者であれば禁煙をこころがけ、粉塵に対してはマスクを着用するなど予防が大切です。

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