治療
急性心膜炎の治療の基本は、安静や痛みに対しての対症療法です。1〜3週間ほどの経過で自然治癒すが期待できますが、ときに心タンポナーデや急性心筋炎などの重篤な合併症を呈します。
心タンポナーデ
心膜液を体外へと排泄することが重要です。こうした治療を「心嚢ドレナージ」と呼びます。心膜の内側に貯留した過剰な液体成分を取り除くことで、心臓が拡張できるスペースを十分に確保する目的で行われます。
急性心筋炎
全身の血液の流れが著しく障害を受けるため、これを是正するための循環サポートが必要となります。心筋が炎症を受けることから、致死的な不整脈を呈することもあるため、生じうる不整脈をモニタリングしつつ、適切な治療を行います。
結核による急性心膜炎は慢性化することが多く、また、収縮性心膜炎と呼ばれる合併症を引き起こすこともあります。収縮性心膜炎では心膜が柔軟性を失い、ときに石灰化を起こして硬くなってしまいます。柔軟性を失った心膜は心臓の動きを制限し、その結果、全身の血液の流れが障害を受けます。硬くなった心膜を内科的に改善することはできず、手術にて心膜を切除することになります。
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