原因
急性心膜炎は、ウイルス感染症が原因となることが多いです。その他、結核・細菌・真菌などの感染症も原因となりえます。またSLEを代表とする膠原病、尿毒症、がんの転移、薬剤等が原因になることもあります。その他、急性心筋梗塞の合併症として、がん治療の一環として行われる放射線治療や心臓手術(開心術)などによるものもあります。
急性心膜炎では心臓の周りを覆う心膜に炎症が生じ、過剰な液体成分が心膜の内側に貯留することがあります。心膜で包まれた空間はゆとりが少なく、過剰な液体成分が蓄積することで心臓の機能に影響が出ることがあります。特に心臓の拡張がうまくできなくなり、十分な量の血液を心臓に戻すことができなくなります。この状態を「心タンポナーデ」と呼び、全身の血液の流れに著しい障害が出ます。
また、心膜の近くに位置する心筋でも急性炎症が同時に起こることがあり、これを急性心筋炎といいます。急性心筋炎を合併すると心臓のポンプ機能が低下するため、心タンポナーデ同様、全身の血液の流れが著しく障害されます。
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