検査・診断
全身状態を把握するためのさまざまな検査が行われます。
触診・打診・聴診など
急性腹膜炎でもっとも重要なのは身体所見です。腹膜炎に特有の身体所見を見逃してしまうと、いつまでも正確な診断が下されず、救命の可能性が低下していきます。
触診では、触れただけで腹部が一気に硬くなる筋性防御という所見が見られます。これは、無意識に腹部を守ろうと力が入ってしまうためです。また、限局性腹膜炎では、圧痛点を押して勢いよく離すと離したときのほうが、痛みがひどくなる反跳痛を訴えます。また、打診を行うと、飛び上がるような痛みが生じるのが特徴です。
聴診では、腸管雑音が低下していることが確認できます。
胸部・腹部レントゲン写真
腸閉塞の異常ガスや腸管穿孔のときに生じる横隔膜下の空気遊離像が確認できます。もっとも簡便に行える画像所見ですが、これらのサインがあるときには非常に重篤で緊急性のある状態であると判断できます。
腹部超音波・CT
腹膜炎の原因である腸管穿孔や急性膵炎、胆のう炎などの状態を調べることができます。膿瘍形成の有無なども確認できることから、治療の方針を決めるためにも必須の検査です。
血液検査
白血球とCRP上昇などの一般的な炎症所見が見られます。原因の病気によっては、肝機能異常や胆道系酵素の上昇、アミラーゼ上昇などが見られます。
腹水穿刺
腹腔内に針を刺して腹水を採取します。血性や膿性、胆汁、食物残渣などの腹水の性状によって腹膜炎の原因が推定可能であり、また培養検査を行うことで原因菌を特定することも可能です。
特に原発性腹膜炎では、腹水中の白血球が好中球を中心に増加していることが診断の決め手になります。
医師の方へ
「急性腹膜炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします