治療
急性骨髄性白血病の治療は抗がん薬を用いた化学療法を行います。化学療法は、段階に応じて“寛解導入療法”と“寛解後療法”の大きく2つの治療法で行われます。
化学療法によって十分な効果が期待できなかった場合や再発した場合には、同種造血幹細胞移植の適応になります。いずれの場合も年齢や身体の状態、病気の原因、白血病細胞の遺伝子変異など病気のリスクの程度に応じて、どの治療を選択するか決定します。治療関連AMLや二次性AMLは治療が難しいことが多くリスクが高いと考えられています。現在、多くの薬剤の開発が進んでいるため、最新の承認状況を踏まえて医師とよく話し合って決めることが大切です。
寛解導入療法
初期段階では寛解導入療法として複数の抗がん薬を併用した薬物療法を行います。
血液中の白血病細胞を5%以下に減少させ、白血球や赤血球の数値を正常値にすること(完全寛解)を目指します。
寛解後療法
寛解導入療法によって完全寛解となったとしても、白血病細胞は残存しているため、白血病の治癒、つまり白血病細胞の根絶を目指して、寛解後療法として治療を継続します。
同種造血幹細胞移植
同種造血幹細胞移植は、血縁者や非血縁者の正常なドナーの造血幹細胞を患者に点滴投与(移植)する治療法です。移植することで正常な血液細胞を造るサポートや、ドナーのリンパ球が患者の白血病細胞を攻撃する効果(GVL効果)が期待できます。一方で、患者の正常な臓器や細胞を攻撃する移植片対宿主病(GVHD)も発症するため、その予防として、免疫抑制薬が投与されます。 GVHDは進行すると命に関わることもあるため、十分に注意することが必要です。
医師の方へ
急性骨髄性白血病について
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