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インタビュー

白血病の原因

白血病の原因
園木 孝志 先生

和歌山県立大学医学部附属病院 血液内科学講座 教授

園木 孝志 先生

白血病は「血液のがん」とも呼ばれています。他の臓器がんと同様に遺伝子の異常、すなわちDNAに傷がつくことによって異常な細胞が増殖することによって起こります。そのメカニズムや誘因、遺伝との関係などについて、白血病や悪性リンパ腫など「血液のがん」を専門とされている和歌山県立大学医学部附属病院血液内科学講座教授の園木孝志先生にお話をうかがいました。

遺伝子異常というのはある一定の頻度で起こってくるので、ターンオーバーが激しいほど遺伝子に傷があるものも多く生まれて来てしまい、それががん化するのだと考えられます。

若い方でも年配の方でも、造血器(血球をつくる器官、骨髄のこと)では他の組織に比べて常に激しくターンオーバーが起こっています。生まれては分化するという繰り返しが多数行われると、それだけエラーが起こる回数も多くなります。それが若い方にも多く発症がみられる原因であると考えています。

他のがんも遺伝子異常、すなわちDNAに傷がついて発症する病気なのですが、造血器はとりわけターンオーバーが激しく、たとえば白血球の一種である好中球の寿命はわずか3〜4日です。それをどんどん新しく作っていかなければならないのです。

ただし、放射線はDNAに傷をつけますから、先ほども申し上げたように、もっともターンオーバーが激しい造血器では傷がついたDNAがどんどん増殖してしまうということが起こりやすいといえます。したがって、放射線の照射や抗がん剤治療は、特に急性骨髄性白血病やその前段階である骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes:MDS)のリスク因子になります。

たとえば、最初に悪性リンパ腫になった患者さんに対して抗がん剤を使った後、骨髄異形成症候群になり、そこから急性骨髄性白血病になったという方も実際に何人かみてきています。

ただし、本当にごくまれな家系では、急性骨髄性白血病を起こしやすい素質を持った方がいらっしゃるといわれています。

私が教えている医学生の間でもしばしば誤解されているケースがあるのですが、染色体異常というと、持って生まれたものがあるのではないかと思われることがあります。しかし、そうではありません。たとえば白血病などでみられるような染色体異常というのは、その患者さんの中でたまたま起きた異常です。しかも、たまたま造血幹細胞だけに起きた異常ですから、その患者さんの皮膚など別の組織を採って調べてもその染色体異常はありません。血液細胞だけに起こった異常なのです。そしてそれは生まれつきではなく、後天的に腫瘍細胞に起こったものです。

しかし、一卵性双生児を対象に行われたある研究では、白血病になる元々の細胞が臍帯血(さいたいけつ・胎盤とへその緒に含まれる血液)にあったと報告されています。白血病の大元となるものが、場合によっては出生前後の時期からすでに存在するのではないかと考えられるのです。今後、次世代シーケンサーによる網羅的な遺伝子解析が進む中で、そういったことも明らかになっていくのかもしれません。

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