こつずいいけいせいしょうこうぐん

骨髄異形成症候群

別名:MDS
血液

目次

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概要

骨髄異形成症候群(MDS)とは、骨髄(こつずい)が正常に働かなくなり、正常な血液細胞を十分につくることが難しくなる血液の病気です。骨髄異形成症候群は血液がんの一種と考えることができ、進行し白血病になることがあります。

この病気にはいくつか種類があり、ゆっくり進行する低リスクのタイプから、急激に悪化する高リスクのタイプまであります。骨髄異形成症候群の患者さんは、60歳以上の方が多いです。

原因

骨髄には造血幹細胞と呼ばれるさまざまな血液の細胞をつくる大もとの細胞が存在しています。この細胞の設計図(DNA)に傷(変異)がついてしまい、造血幹細胞がうまくはたらかなくなってしまうことが原因となり、骨髄異形成症候群を発症します。

発症には加齢が関係していると考えられます。また、がんに罹患した患者さんが、抗がん剤や放射線治療を受け1〜15年程経過した後、治療関連骨髄異形成症候群を発症することもあります。

症状

骨髄異形成症候群は無症状なことが多いです。そのため、健康診断などの血液検査で異常がみつかることがあります。

症状が現れる場合には、正常な血液が不足するため、

  • 全身がだるい
  • 疲れやすい
  • やる気が出ない
  • めまいがする
  • 少し動いただけで息切れする
  • 熱がでる
  • 鼻血がでやすい

などの自覚症状が現れることがあります。

検査・診断

骨髄異形成症候群の検査には、主に血液検査と骨髄検査の2つがあります。

血液検査

血液に含まれる細胞の数や形などを調べます。

骨髄検査

血液をつくる役割をもつ骨の中の骨髄をほんの一部採取する検査です。局所麻酔をおこなって腰の骨に針を刺し、顕微鏡を用いて造血幹細胞の状態を詳細に観察します。きちんと血液細胞をつくっているか、悪性の細胞がいないかを確認します。

また、染色体検査や遺伝子検査によって、細胞のなかの設計図にどのような異常が起きているのかを調べることもできます。

治療

骨髄異形成症候群は、病気のタイプや年齢、進行度、症状などによって治療の選択が異なります。骨髄異形成症候群は、血液や骨髄検査の結果から大きく低リスクと高リスクの2つに分類されます。

低リスクの患者さんは無治療でも数年間は病気が進行しないため、定期的に通院しながら検査を行い、進行の程度を観察します。血液細胞の減少がみられる場合には支持療法を行います。一方、高リスクの患者さんは、急激に正常な血液細胞が大きく減少したり、高頻度に白血病に移行したりするため、早期に治療を行う必要があります。

支持療法

血液細胞を増やす飲み薬や注射薬、輸血などを用いて、不足している血液細胞を補う治療や、感染症に対する抗菌剤治療などを行います。年齢にかかわらず、多くの患者さんが必要とする治療法です。感染症対策として、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種を受けることもすすめられます。

骨髄異形成症候群に対する薬物療法

特に高リスクの患者さんには抗がん剤によって治療を行います。

造血幹細胞移植療法

ドナーから提供された造血幹細胞を移植することで、血液の大もとの細胞を入れ替える治療です。造血幹細胞移植療法は唯一、骨髄異形成症候群を完全に治すことを期待できる治療です。しかし、大量の抗がん剤や放射線を使用するため身体にかかる負担が大きく、高齢者にはあまり向かない治療です。