小児がんとは、小児がかかるがん(悪性腫瘍)の総称です。小児がんは、年間に2,000〜2,500人の新規発症(推定)があり、基本的には早期発見が難しいとされています。小児がんの種類と治療方針について、久留米大学医学部の淡河恵津世(おごう えつよ)先生にお話を伺いました。
小児がんとは小児がかかるがんの総称で、おもに以下のような種類があります。
【おもな小児がんの種類】
・脳腫瘍
・神経芽腫
・腎芽腫(ウィルムス腫瘍):子どもの腎臓にできる腫瘍。胎児期にある程度大きくなり、ほとんどの症例で乳児期に発症します。予後はタイプに関係しており、腎芽腫(混合型・上皮型・間葉型)、嚢胞性部分的分化型腎芽腫は比較的予後が良好です。一方、腎明細胞腫、腎横紋筋肉腫様腫瘍は予後が不良の傾向にあります。
・胚細胞系腫瘍:胎生期の原始生殖細胞(精子や卵子になる前の未成熟な細胞)から発生した腫瘍です。発生部位によって性腺(精巣・卵巣)と性腺外に大別できます。そのほかに、仙尾骨、後腹膜、縦隔、頸部(けいぶ)、頭蓋内などにも発生します。
その内訳は、血液がんが3分の1、脳腫瘍が3分の1、そのほかを合わせて3分の1ほどです。日本における小児がんは、欧米に比べて悪性リンパ腫が少ないという特徴があります。
日本における新規小児がんの発生数は年間2,000〜2,500人、死亡率はおよそ30%と推測されます。また、推定では約10万人の長期生存者がおり、小児がんの経験者は成人の600〜1,000人に1人ほどとされています。
小児がんに特化した検診システムがないため、症状が出てから検査を行い発見されるケースがほとんどです。また、風邪や頭痛などの症状をきっかけに血液検査をした際、白血球数の異常が判明することもあります。小児がんは大人のがんに比べて発生頻度が低くまれな疾患であるため、発見された時点で進行しているケースも多いです。
早期発見できた例としては、子どもが頭を打ったことでCT検査を行い、たまたま脳腫瘍がみつかったことがあります。しかしながら、各種画像診断には被ばく線量も考慮しなければならないため、基本的に小児がんは早期発見が難しい疾患といえるでしょう。
以前は「不治の病」といわれていた小児がんですが、手術療法に加えて、徐々に放射線療法や化学療法(抗がん剤治療)が取り入れられ、総合的に治癒率が向上してきました。最近は、小児がんのがんサバイバー(がんの診断、治療を経て、がんを抱えながら生きていく人々)が増えています。
小児がんの治療方針は、『Total Kill Cell:化学療法などを使い腫瘍細胞を1つ残らず根絶させ、治癒に導く』です。
基本的には、
1)化学療法:全身の化学療法で腫瘍を小さくする
2)手術療法:手術で腫瘍を切除する
3)放射線療法:残った腫瘍に放射線をあてる
といったステップで集学的治療を行います。
はじめから放射線療法を行う小児がんは、生命にかかわる巨大な血管腫・緊急的照射などに限られます。また、血液がん(白血病・リンパ腫など)の場合は、化学療法と放射線療法ののちに、造血幹細胞移植(白血球・赤血球・血小板のもとになる造血幹細胞の移植)を行い、治癒を目指します。
記事2『小児がんに対する放射線療法の特徴』では、小児がんに対する放射線療法の特徴についてご説明します。
久留米大学 放射線治療センター 教授
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