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オプジーボ・アドセトリス- 悪性リンパ腫の新しい治療薬の開発状況
日々、悪性リンパ腫の新しい治療薬が開発されています。開発では、全く新しいメカニズムをもった薬がうまれる場合と、他のがんに用いられている薬がホジキンリンパ腫などの血液がんに適応拡大するケースがあり...
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オプジーボ・アドセトリス- 悪性リンパ腫の新しい治療薬の開発状況

公開日 2016 年 04 月 05 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

オプジーボ・アドセトリス- 悪性リンパ腫の新しい治療薬の開発状況
畠 清彦 先生

がん研究会有明病院 血液腫瘍科部長 兼 がん化学療法センター臨床部部長

畠 清彦 先生

日々、悪性リンパ腫の新しい治療薬が開発されています。開発では、全く新しいメカニズムをもった薬がうまれる場合と、他のがんに用いられている薬がホジキンリンパ腫などの血液がんに適応拡大するケースがあります。2016年現在の新薬の開発状況について、がん研有明病院 血液腫瘍科部長 畠清彦先生にご解説いただきました。

ホジキンリンパ腫の最新の治療薬

ニボルマブ(オプジーボ®)

現在、肺がんや悪性黒色腫で用いられているニボルマブ(オプジーボ®)という薬が、2016年の年末にはホジキンリンパ腫へ適応拡大される予定です。

ブレンツキシマブ ベドチン(アドセトリス®)

ブレンツキシマブ ベドチンという薬が2014年からホジキンリンパ腫に使用可能となりました。また、標準治療であるABVD療法(参考記事「悪性リンパ腫の治療-病型によって治療法は異なる」)のなかのB(ブレオマイシン)を抜いた、AVD+ブレンツキシマブ ベドチン療法がABVD療法よりも効果が期待できるとされ、現在、その2つの治療法の比較試験の結果検証を行っています。

B細胞性リンパ腫の最新の治療薬

オビヌツズマブ

リツキサン®(リツキシマブ)の次の世代として、オビヌツズマブ(開発番号:GA101)と呼ばれる抗体医薬品が治験が進められています。リツキサン®(リツキシマブ)はヒトの抗体にマウスの抗体が少し混ざっている医薬品です。人間はマウスの抗体を異物と判断しアレルギーを起こすことがわかっているため、アレルギーなどの副作用が起こる危険性がありました。一方、オビヌツズマブはヒトの抗体からつくられています。オビヌツズマブは、リツキサン®(リツキシマブ)よりもアレルギー反応が少なく、治療効果にばらつきが少ない薬と期待されています。

CHOP療法にリツキサン®(リツキシマブ)とオビヌツズマブどちらを併用したほうが効果が高いかという治験が終わり、2016年現在、結果を検証しているところです。

T細胞性リンパ腫の最新の治療薬

モガムリズマブ(ポテリジオ®)

1970年以降、T細胞性リンパ腫はCHOP療法あるいはHyperCVAD/MA療法から大きく変わっていません。ところが、成人T細胞性リンパ腫白血病に関しては近年進歩がありました。CCR4という抗体が陽性の成人T細胞性リンパ腫白血病の患者さんの4割に、日本が開発したモガムリズマブが効くことがわかり、現在治療薬として用いられています。CHOP療法などと組み合わせるとさらなる効果が期待されており、研究が進んでいます。

ブレンツキシマブ ベドチン(アドセトリス®)

ホジキンリンパ腫で使用可能なブレンツキシマブ ベドチン(アドセトリス®)という薬が一部のT細胞性リンパ腫に使用可能となっています。さらに現在、CHOP療法のなかのO(ビンクリスチン)を抜いた、CHP+ブレンツキシマブ ベドチン療法がCHOP療法よりも効果が期待されており、2つの治療法の比較試験が行われています。

海外で先行して開発が進んでいる治療薬

海外では、抗体医薬以外でも以下のように開発や治験が進んでいます。

ペメトレキセド(アリムタ®)

メトトレキサートのメカニズムに似た葉酸拮抗薬です。

ロミデプシン(ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬)

アメリカですでに承認されているT細胞性リンパ腫の治療薬です。2016年現在、日本では治験が終わり結果を検証中です。

デニロイキンディフティトックス(オンタック®)

アメリカですでに治療薬として使用されています。現在日本でも開発が進んでおり、T細胞性リンパ腫に効果があるといわれています。

ダリナパルシン

T細胞性リンパ腫の再発例に効果があるといわれています。

 

日本では欧米にくらべ治療薬の開発が数剤遅れているものの、悪性リンパ腫においては新しい治療薬の開発が進んでいます。

自治医科大学医学部卒業後、新薬臨床開発センターを経て現在がん研究会有明病院 血液腫瘍科部長 兼 がん化学療法センター臨床部部長を務める。抗がん剤治療の名医として多発性骨髄腫や悪性リンパ腫などの腫瘍内科の診療を行う。また血液がんの新薬の研究開発や医師・患者の研修資材の作成にも尽力している。

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