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光線力学という言葉を聞いたことはありますか? 実はこの光線力学、がんや脳腫瘍に対する新しい治療法や検査法として、現在研究が進められている医療なのです。光線力学には2つの種類があります。一つは治療に用いられる光線力学療法(PDT)、もう一つは診断に用いられる光線力学診断(PDD)です。この2つのもととなる光線力学の仕組みと現在の治療への応用について、大阪医科大学脳神経外科特任教授の梶本宜永先生にお話をお聞きしました。
光感受性物質(光に反応する物質)は悪性新生物(がん細胞)などの悪い細胞に集まる傾向があるため、それをあらかじめ患者さんに投与し、そのあとで光感受性物質が集まっている部位にのみレーザー光を照射し、活性酸素を発生させます。その活性酸素が悪性新生物を攻撃することで、正常な組織を傷つけることなくがんを治療することができます。このことを光線力学療法といいます。
光線力学療法は悪性(体に何らかの害を及ぼす危険性がある性質を持つもの)の脳腫瘍など、難治性の病変に対する画期的な治療法とされており、従来のレーザー治療と異なり他の正常組織を傷害することなく、病変部位だけを選択的に治療できる新たながん治療の方法として近年注目を集めています。
光線力学が応用されているのは光線力学療法だけではありません。これを用いると、がんがどこにあるかが分かります。それにより診断にも用いることができるのです。このことを光線力学診断と言います。光線力学診断は特に脳腫瘍の診断で活躍しており、詳細は記事2『脳腫瘍を手術中に光らせることのできる「光線力学診断」とは』で説明します。
光線力学診断(PDD)に使われる光線は主にレーザーですが、LEDであったり、必要なフィルタを通した通常の光源の光であったりと、使用される光線の種類は個々の患者さんの状態によって異なります。
一方で、光線力学療法(PDT)に関しては光のパワーを集中させる必要があるのでレーザーを用いることがほとんどです。ただし、患部が広範囲で集中照射をする必要がない場合にはLEDを使うこともあります。
光感受性物質の薬剤のひとつに、5-ALA(アミノレブリン酸)を使った術中蛍光診断(PDD)があります。5-ALAは脳腫瘍の手術の際に非常によく日本に普及している物質です。
5-ALAは体の中にもともと存在するうえ、経口で飲めるのでショックもなく、サプリメントとしても売られています。植物に撒く肥料としても売られており、非常に一般的なアミノ酸に近いものです。この5-ALAは、腫瘍によく取り込まれ、腫瘍細胞内でポルフィリンという光感受性物質が大量に作られます。
日本で光線力学療法(PDT)として認可されているのはタラポルフィンナトリウムという日本初の物質で、脳腫瘍への適応も2016年、認可が通りました。大阪医科大学も年内を目安に5-ALAによる光線力学療法(PDT)の導入を検討しています。
タラポルフィンナトリウムは青紫色の光を当てると、赤く光るという特徴を持ちます。光線力学療法(PDT)の場合、当てる光は赤い色を使うのが標準です。これはなぜかというと、青色の光は組織の表面までしか浸透しないからです。一方、赤い光は体の中を通りやすい性質を持ちます。深いところまで光線力学療法(PDT)をきかすためには赤色のレーザーが適しているのです。
光線力学療法は悪性の脳腫瘍の治療に対しての応用が研究されています。
悪性脳腫瘍の治療は通常、手術で腫瘍を摘出します。しかし、腫瘍が大きければ大きいほど広範囲にわたった摘出が必要となるため、脳機能障害を起こしてしまう可能性も高まります。そのため、重要な機能を持っている脳の組織に関しては、腫瘍が浸潤していても切除することはできません。
このように、重要な部分でありながらなおかつ腫瘍が浸潤しているところに対して、正常な組織を侵すことなく悪性腫瘍のみを治療する光線力学治療は、脳腫瘍の治療に対しても非常に効果的だといえます。
脳腫瘍は浸潤性(周辺の組織に病変が侵出する)のため100%は治せませんが、光線力学療法(PDT)によって患者さんの生命予後(患者さんの寿命)を延ばすことが期待できます。
光線力学診断(PDD)が適応されている疾患は脳腫瘍や膀胱がんのほかに、子宮頸がん、早期肺がん、早期食道がん、胃がん、皮膚がんなど、組織を大きく切除できないがんの治療に対して主に使用されています。皮膚がんはアメリカでは認可されており、前立腺がんなどの疾患にも色々トライアルされています。とくに膀胱がんはかなり臨床試験が進んでいる状態です。
周辺で脳腫瘍の実績がある医師
東京都立多摩総合医療センター 脳神経外科 部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分
国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 元副院長・元脳卒中センター長・非常勤、順天堂大学大学院 医学研究科客員教授
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科
東京都新宿区戸山1丁目21-1
都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分
佐々総合病院 脳神経外科 部長
内科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、リハビリテーション科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、脳神経内科、肛門外科、放射線診断科、児童精神科、総合診療科、産婦人科、救急科
東京都西東京市田無町4丁目24-15
西武新宿線「田無」北口 徒歩3分、西武池袋線「ひばりヶ丘」西武バス 境03、境05、田42系統 田無駅下車 徒歩3分 バス、JR中央線(快速)「武蔵境」西武バス 境03、境04、境07系統 田無駅下車 徒歩3分 バス
東京医科大学病院 脳卒中センター長、東京医科大学 脳神経外科学分野 主任教授
内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、外科、心療内科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、矯正歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、循環器内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科
東京都新宿区西新宿6丁目7-1
東京メトロ丸ノ内線「西新宿」2番出口またはE5出口 徒歩1分、JR山手線「新宿」西口 その他JR複数線、小田急線小田原線、京王電鉄京王線、都営新宿線なども利用可能 徒歩10分
NTT東日本関東病院 脳神経外科 部長/脳卒中センター長
内科、消化器内科、循環器内科、腫瘍内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、高血圧・腎臓内科、感染症内科、精神科、呼吸器内科、緩和ケア内科、脳神経内科、脳血管内科、小児科、外科、乳腺外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、整形外科、呼吸器外科、歯科口腔外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、リウマチ膠原病科、放射線科、リハビリテーション科、救急科、麻酔科(ペインクリニック内科)、病理診断科
東京都品川区東五反田5丁目9-22
都営浅草線「五反田」 徒歩5分、JR山手線「五反田」東口より病院シャトルバスも運行あり 徒歩7分
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